研究課題/領域番号 |
22K19383
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
永澤 秀子 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90207994)
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研究分担者 |
平山 祐 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (10600207)
辻 美恵子 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教 (40709721)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | ミトコンドリア / 鉄代謝 / 酸化ストレス / がん治療 / 鉄・ROS中毒 / MiNT / 抗ミトコンドリア治療 / 鉄硫黄タンパク質 / フェロトーシス / がんエネルギー代謝 / フロー合成 / 鉄・活性酸素中毒がん |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞は細胞分裂に大量の鉄分と活性酸素を必要とするため、その供給をNEETサイクルに依存している。MiNTは、ミトコンドリアにおける鉄と活性酸素種(ROS)のバランスに不可欠であることから、腫瘍を縮小させるための有望な標的と考えられる。このような悪性がん細胞の治療を目指して、MiNTを標的とする抗ミトコンドリア治療薬を創製する。すなわち①MiNT結合リガンドpioglitazone (TZD)をリードとする親和性の高いリガンド構造への最適化、②ミトコンドリア送達能の付与と活性酸素応答プロドラック化、③不可逆的にMiNTを不活性させるマスクドコバレントドラッグ化等を柱とする革新創薬を実現する。
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研究成果の概要 |
様々ながんに高発現することが知られるCISD3遺伝子は、ミトコンドリアマトリックスに局在する鉄硫黄タンパク質MiNTをコードし、細胞内の鉄、Fe-S、および活性酸素のホメオスタシスに関与する。そこで、MiNTを標的とするがん治療薬の開発に取り組んだ。1)種々のTZD誘導体を設計・合成し、フェロトーシス誘導作用を調べたところ有意な効果は認められなかったが、細胞内の二価鉄誘導を示す化合物を見出した。2)フェロトーシス誘導剤のアルテスネートはミトコンドリア標的化によって、活性が増強する。そこで難治性子宮頸がんにおける効果について検討したところ、ヘム依存的な細胞死を誘導することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「鉄・ROS中毒」表現型は悪性形質やがん幹細胞の特性であることをふまえれば、MiNT標的薬はがん細胞特異的にROSバーストを引き起こして悪性がん細胞を駆逐することができるものと期待される。このような創薬研究は、これまでに例がないことから、ミトコンドリア機能不全を有する難治性がん治療の有望な治療薬として期待できる。
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