研究課題/領域番号 |
22K19394
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
諫田 泰成 国立医薬品食品衛生研究所, 薬理部, 部長 (70510387)
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研究分担者 |
坡下 真大 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 講師 (20613384)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 新型コロナウイルス / long COVID-19 / ヒトiPS細胞 / 血液脳関門 / 脳毛細血管内皮細胞 / 炎症 / バリアー機能 / Wnt / 新興感染症 / 病態モデル / iPSC |
研究開始時の研究の概要 |
現在、世界中で猛威を奮っている新型コロナウイルス感染症を引き起こすSARS-CoV-2は重篤な肺炎を引き起こすだけでなく、重症化時に様々な神経症状を引き起こす。しかしながら、中枢神経系に感染するメカニズムは明らかになっていない。そこで、本研究では、ヒトiPS細胞から血液脳関門を作製し、SARS-CoV-2の感染メカニズムを検討する。また、感染によるウイルス受容体ACE2の局在変化を基に、新型コロナウイルス感染症の治療・予防が可能な医薬品を開発する。以上により、新興感染症に向けた技術基盤を確立することが期待される。
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研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症を引き起こすSARS-CoV-2は重篤な肺炎を引き起こすだけでなく、重症化時に様々な神経症状を引き起こすことが知られており、long COVID-19と呼ばれるような長期症状が懸念されている。しかしながら、中枢神経系にウイルスが感染するメカニズムはあまり明らかになっていない。 そこで本研究では、ヒトiPS細胞から作製した脳毛細血管内皮細胞を用いて、SARS-CoV-2の感染とそのメカニズムについて検討を行った。まず脳毛細血管内皮細胞にSARS-CoV-2が感染し、スパイクタンパク質などが発現することを免疫染色により確認した。次に、SARS-CoV-2感染により、タイトジャンクションマーカーであるCLDN3、CLDN11の発現が低下し、経内皮電気抵抗(TEER)も低下することが認められた。さらに、COVID-19患者で炎症性サイトカインの血中濃度が上昇するとの報告があることから、脳毛細血管内皮細胞における炎症性サイトカインの発現を検討した。その結果、SARS-CoV-2感染により炎症性サイトカインの発現が誘導された。そのメカニズムとして、RNA-Seq解析によりSARS-CoV-2が脳毛細血管内皮細胞のWnt経路をターゲットにする可能性を見出した。実際、Wnt活性剤を添加した結果、脳毛細血管内皮細胞のSARS-CoV-2感染と炎症反応が部分的に抑制された。 以上の結果から、SARS-CoV-2感染はWntシグナルを介して血液脳関門の機能低下を引き起こすことが示唆された。ヒトiPS細胞由来脳毛細血管内皮細胞は、COVID-19の神経病理の解明や創薬に有用なin vitroモデルであると考えられる。
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