研究課題/領域番号 |
22K19397
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
赤池 孝章 東北大学, 医学系研究科, 教授 (20231798)
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研究分担者 |
吉沢 道人 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (70372399)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 超硫黄分子 / S8硫黄 / 超硫黄分子カプセル |
研究開始時の研究の概要 |
驚くべきことに、火山地帯など極限環境に見られる環状化硫黄S8(環八超硫黄)が、ヒト・動物の生体内で積極的に合成され極めて豊富に検出された。これは、無機硫黄分子であるS8環八超硫黄が、生命進化論と生命現象に深く関わることを示す生物学・生命科学における極めて大きな発見である。本研究では、超硫黄分子カプセルを用いて新たに開発した超硫黄解析により、生体内S8の代謝経路その生理機能の全容を解明する。さらに、超硫黄分子カプセルの組織、細胞、オルガネラ(特に、ミトコンドリア)への選択的ターゲットとDDSにより、高等 生物において今回初めて発見されたS8超硫黄の真の生理機能を解明する。
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研究実績の概要 |
驚くべきことに、火山地帯など極限環境に見られる環状化硫黄S8(環八超硫黄)が、ヒト・動物の生体内で積極的に合成され極めて豊富に検出された。これは、無機硫黄分子であるS8環八超硫黄が、生命進化論と生命現象に深く関わることを示す生物学・生命科学における極めて大きな発見である。本研究では、超硫黄分子カプセルを用いて新たに開発した超硫黄解析により、生体内S8の代謝経路その生理機能の全容を解明する。さらに、超硫黄分子カプセルの組織、細胞、オルガネラ(特に、ミトコンドリア)への選択的ターゲットとDDSにより、高等生物において今回初めて発見されたS8超硫黄の真の生理機能を解明する。当該年度では、超硫黄分子カプセルを用いることにより、各種培養細胞系および動物組織(マウス)におけるS8の細胞・生体内検出に成功した。すなわち、マウス線維芽細胞MEFを超硫黄ドナーであるグルタチオントリスルフィドGSSSGで処理すると細胞内のS8レベルが顕著に上昇し、さらに、これは超硫黄の酸化代謝酵素であるSQR (sulfide:quione reductase)により代謝維持されていることを見出した。さらに、驚くべきことに、活性酸素産生酵素であるNOX(NADPH oxidase)やNO合成酵素(NOS)が、実際は、NADPHの電子・プロトンを優先的に超硫黄(GSSSG)に渡して超硫黄の伸長反応(catenation, カテネーション)を触媒してS8産生酵素(S8 synthase)として機能していることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
超硫黄分子カプセルを用いて新たに開発した超硫黄解析を行ったところ、広く自然界に存在する環化八硫黄(cyclic-octa-sulfur, S8)が哺乳類・ヒトの生体内において、当初の想定を超える高濃度で蓄積していることを見出した。本研究の当初目的である、生体内S8の代謝経路その生理機能の全容解明に関する知見をさらに深めることができ、研究はおおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の当初目的に照らして、研究遂行の上での問題はなく順調に研究が進展している。今後は、S8環八超硫黄の合成と代謝機構の解明を推進する。さらに、S8環八超硫黄の非破壊的な生体内イメージング開発、および、DDSと生理機能解明についても推進する。
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