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競合ダイナミズムを通じたメカニカル創傷治癒基盤の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K19400
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
研究機関東京大学

研究代表者

松村 寛行  東京大学, 医科学研究所, 特任講師 (70581700)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
キーワード創傷治癒 / 細胞競合 / メカニカルストレッチ
研究開始時の研究の概要

創傷治癒は、再上皮化の過程が重要な役割を果たしている。メカニカルストレッチ(MS)が、その再上皮化を促すことで、臨床的にも創傷治療に大きな貢献してきたにも関わらず、その仕組みは、未解明である。細胞競合は、同種細胞の適応度の差異に応じて組織から適応度の低い細胞を排除する組織恒常性維持の仕組みであるが、細胞競合の創傷治癒におけるその役割・機能は、ほとんどわかっていない。本研究では、細胞競合がどのようにして創傷治癒に関わり、その役割を担っているのか、MSに着眼して、その鍵となる分子メカニズムの解明を目指す。これにより、競合ダイナミズムを通じた創傷治癒の全く新しい治療基盤確立を目的とする。

研究実績の概要

我々の組織を維持する上で絶対不可欠な創傷治癒は、角化細胞の再上皮化の過程が重要な役割を果たしている。メカニカルストレッチ(機械的刺激、MS)が、その再上皮化を促すことで、臨床的にも創傷治癒治療に非常に大きな貢献してきたにも関わらず、鍵となるその仕組みは、ほとんど未解明である。細胞競合は、同種細胞の適応度の差異に応じて組織から適応度の低い細胞を排除する仕組みである。我々は、皮膚において、表皮の幹細胞集団の細胞競合現象に着目し、老化や創傷治癒過程において解析し、細胞競合が組織恒常性を維持することで老化による組織の疲弊を軽減させていることや創傷治癒への関与の可能性を世界に先駆けて明らかにしてきた(Liu, Matsumura et al., Nature 2019)。しかしながら、創傷治癒におけるその役割・機能は、ほとんど明らかにできていない。本研究では、細胞競合がどのようにして創傷治癒に関わり、その重要な役割を担っているのか、メカニカルストレッチに着眼して、その鍵となる分子メカニズムの解明を目指す。これにより、競合ダイナミズムを通じた創傷治癒の全く新しい治療基盤へ繋げることを目的とした。昨年度までに、メカニカルストレッチと創傷治癒と細胞競合を関係の検証とその実態の解明を目的として、収縮力に影響を受けにくく、メカニカルストレッチの影響を評価しやすい創傷治癒実験モデルの構築に成功した。 本年度では、このモデルを用いて、メカニカルストレッチに関わりケラチノサイトの幹細胞性を維持できるような薬剤を塗布して、創傷治癒効果を比較する実験の検証をしてきている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまで、収縮力の影響を受けにくく、メカニカルストレッチの影響を評価しやすい創傷治癒実験モデルは提案されていなかった。そこで、収縮力の影響を受けにくく、メカニカルストレッチの影響を評価しやすい創傷治癒実験モデルの構築を行った。そこで、野生型マウスの尾部を用いて、表皮全層欠損の創傷治癒モデルの構築を試みた結果、背中の皮膚と比較して、収縮による影響が少なく、適度にメカニカルストレッチに対応できうる動物モデルの構築に成功した。また、このモデルにメカニカルストレッチに関わる薬剤の効果を調べることができたため。

今後の研究の推進方策

創傷にによる収縮力の影響を受けにくく、メカニカルストレッチの影響を評価しやすい創傷治癒実験モデルを用いて、メカニカルストレッチに関わる遺伝子が細胞競合に関わるのか検証する。その遺伝子発現を制御できる薬剤を塗布して、その効果を検証する。また、我々は、すでにメカニカルストレッチに関わり、表皮の維持に関わる遺伝子Xに着目しており、このコンデショナルに遺伝子X欠損を誘導するマウスを入手し、その機能に迫る計画である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件) 備考 (1件)

  • [学会発表] XVII型コラーゲンによる幹細胞競合を通じた皮膚の恒常性と老化と癌化2023

    • 著者名/発表者名
      松村 寛行
    • 学会等名
      第46回日本分子生物学会シンポジウム、細胞外マトリックスから見た老化研究
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Stem cell competitive dynamics orchestrate skin homeostasis, aging and carcinogenesis.2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Matsumura
    • 学会等名
      The 29th East Asia Joint Symposium
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Stem cell competitive dynamics orchestrate skin homeostasis, aging and carcinogenesis.2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Matsumura
    • 学会等名
      The China medical university Symposium
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Stem cell competitive dynamics orchestrate skin homeostasis, aging and carcinogenesis.2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Matsumura
    • 学会等名
      東京大学医科学研究所創立記念シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] XVII型コラーゲンタンパク質の安定性を軸とした皮膚の恒常性維持と老化2022

    • 著者名/発表者名
      松村 寛行
    • 学会等名
      第95回日本生化学会シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 幹細胞競合ダイナミクスを軸とした皮膚の老化と癌化2022

    • 著者名/発表者名
      松村 寛行
    • 学会等名
      第9回皮膚の会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 東京大学医科学研究所 老化再生生物学分野 研究内容

    • URL

      https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/aging-regeneration/research/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-07-05   更新日: 2024-12-25  

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