研究課題/領域番号 |
22K19402
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
成宮 周 京都大学, 医学研究科, 寄附講座教員 (70144350)
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研究分担者 |
田中 信生 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (80511089)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | AhR / NHEK細胞 / CYP1A1 / Filaggrin / トリプトファン代謝物 / 芳香族炭化水素受容体 (AhR) / keratinocytes / fillagrin / tryptophan / HPLC / 皮膚角化細胞 / トリプトファン代謝 / フィラグリン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、申請者が見出した新規と思われるAhRの内在性活性化リガンドの構造を決定、FICZやdioxinを対照にこのリガンドの作用プロフィールの特異性と特異性を発揮する分子メカニズムを明らかにする。更に、このリガンドの生理的役割を合成酵素の遺伝子欠損マウスを作成することで明らかにするとともに、これの微量測定法を開発、in vivoでの存在・動態・病態的意義を解析する。これにより、毒性懸念のないAhRリガンドの開発と臨床応用に途をつける。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、Aryl Hydrocarbon Receptor (AhR) の内因性リガンドを同定し、その作用メカニズムを解明することである。我々は、NHEK をCa2+イオン及びL-tryptophan 存在下でlysophosphatidic acid で刺激したときに培養上清にAhr依存性にバリアータンパク質フィラグリン (FLG)を誘導する物質が産生されることを見出した。本年度は、昨年度に引き続き、本物質の精製、同定を試みた。 1.上記NHEK培養上清をSepPakC18処理し、抽出物を酢酸酸性で水と酢酸エチルで分別抽出、水画分を逆相HPLCで分離、これを3回繰り返したあと、CYP1A1/FLG誘導活性画分をLC-mass spectrometryにかけ物質探索を行った。その結果、候補物質として5-hydroxy-indole acetic acidとserotoninが得られた。これらのauthentic化合物の活性をassayした結果、serotoninはCYP1A1を濃度依存性に誘導したがFLG誘導活性は微弱であった。一方、5-HIAAはCyP1A1, FLGとも誘導活性を認めなかった。以上から、これら物質は、目的とする物質ではないと判定した。 2. 上記を含むこれまでの精製での問題点は、精製を進めるにつれCYP1A1に比べFLG誘導活性が減少・消失することである。このことから、FLG誘導活性に焦点をあて精製を進めることとした。このため、最初の前処理をhexane, ethyl acetate, methanol, waterで段階的に分別抽出し、methanol画分でFLG誘導活性がenrichできることを見出し、これを出発材料として、順相カラム、逆相HPLCにかけ、各々でFLG誘導活性の溶出位置を同定した。現在、これを組み合わせ、精製を継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画では、AhR活性化の主要なoutputであるCYP1A1を指標に活性を精製すれば、FLG誘導活性も精製できるとの戦略であったが、CYP1A1誘導活性も多数で、かつ、その殆んどが微弱なFLG誘導活性しか持っていなかった。このため、戦略の練り直しを迫られている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
とりあえず、上記した前処理の改良に沿って、精製をやりなおす。
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