研究課題/領域番号 |
22K19403
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
古田 貴寛 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (60314184)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | マイクロCT / 脳組織 / 形態解析 / ニューロン / FIB-SEM / 非破壊撮像 / 高分解能 / 三次元構造データ |
研究開始時の研究の概要 |
マイクロCTはX線顕微鏡とも呼ばれ、CT(Computed Tomography)と同様の原理を用いて、さらに分解能を大きく高めることにより、サンプル内の微小構造を非破壊にて観察するシステムである。光学顕微鏡より高い分解能で三次元的データを得られる点が特長である。本研究課題では、マイクロCTの技術を主軸として、光学顕微鏡と電子顕微鏡との橋渡しをする解析対象サイズと分解能において三次元構造データを取得する方法を開発する。
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研究実績の概要 |
本課題は、脳組織に電子顕微鏡実験のための処理を施したものを研究サンプルとして、マイクロCTで撮像/解析することを主軸とした実験である。初年度は、マイクロCTデータを解析するシステムを整えることと、サンプル処理プロトコルの検討を行なった。導入した画像解析ソフトウェアに三次元データをインポートし解析する処理フローを構築できた。この研究では大量の画像データを処理/解析せねばならないため、計算機は高速演算能力が必要であるが、最近ではパーソナルコンピュータの能力が高まっているため、まずはパーソナルコンピュータを利用して解析システムを構成した。この時、メモリサイズを128GBにすることで、支障なく大データの解析が可能となった。また、PCのスペックとしてはCPUの計算速度よりも、GPUの能力が全体の処理速度に大きく影響することがわかった。 一方、組織サンプルをマイクロCT解析に供するための処理方法を最適化している。2%のGlutaraldehydeを含むformaldehyde固定液を用いて灌流固定した脳組織を用いて、透過型電子顕微鏡の組織処理法をベースに、マイクロCT解析に適した組織処理補を検討した。通常のosmium 染色(膜固定)だけでなく、ウランや鉛を用いた処理により、よりコントラストが上がることが分かったため、これらの処理についてさらに検討を進めている。 また、脳組織内で観察対象のニューロンを標識する方法についても検討を行なっており、最も確実性の高いBiotinylated dextran amine(BDA)を活用した標識法から実施している。少量の高濃度BDA溶液を脳に注入する実験を行い、ニューロンを標識することは可能であるが、多くの標識されたニューロンが密集した状態が形成されるとその後の解析が困難となる要因ともなるため、さらに方法を検討しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験計画通りに実験が実行され、所定の結果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
サンプルの形状や撮影台へのマウントの仕方を検討する必要がある。特にサンプルを線源に近づけることが重要であることがわかってきたので、その点を中心に条件検討を行う。具体的にはサンプルをできるだけ小さい状態で準備し、細いエポン台に載せることによって、分解能の向上を目指す。得られた形態データについて、レーザー顕微鏡のデータと3次元的に照合を行い、さらに、超微細構造の三次元データを取得できる集束イオンビーム走査型電子顕微鏡(FIB- SEM)での解析も組み合わせ、包括的形態解析を実現する。本課題の技術の活用例としては、様々な病態モデルの解析において異常をきたしていることが指摘されている樹状突起スパインの形状について、本開発技術が持つ高い解像度を生かし、「定量的」な評価(長さや太さを精密に測定)を試みる。
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