研究課題/領域番号 |
22K19407
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
武谷 立 宮崎大学, 医学部, 教授 (50335981)
|
研究分担者 |
鹿毛 陽子 宮崎大学, 医学部, 助手 (30776688)
三浦 綾子 宮崎大学, 医学部, 助教 (70710903)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | アクトミオシン / アクチン / サルコメア / キラリティ |
研究開始時の研究の概要 |
アクトミオシンの相互作用は、アクチン線維長軸方向の収縮力を発生するだけでなく、アクチン線維軸回りのトルクをも生み出すことが示されている。この回転トルクは、筋サルコメアという収縮装置全体でみると打ち消されてしまう。 なぜなら、筋サルコメア内では反対方向を向いたアクチン線維がZ線を挟んで対称性に位置するためだ。一方で、ある特定の条件下では回転トルクが解消されない可能性が想定される。本研究ではその可能性を実験的および理論的に検証し、その生理的意義の解明に挑む。
|
研究実績の概要 |
生物の基本単位である細胞にとって、「力」はさまざまな動的機能の遂行に必須である。細胞内の「力」の発生装置でも、最も効率的でかつ広範に使用される装置の一つが、アクトミオシンである。本システムは、細胞が分裂する際の分裂溝の陥入や、細胞外基質への接着、そして細胞遊走といった細胞単位での動的機能に必須であるだけでなく、収縮に特化した筋細胞では規則正しいサルコメア構造をとることで、効率的に強い収縮力を得ることが出来、運動から呼吸・循環といった個体としての生命機能の本質を担っている。このアクトミオシンの相互作用は、アクチン線維の長軸方向に沿った強い収縮力を発生するのとは別に、アクチン線維軸回りのトルクをも生み出すことが示されている。これはアクチン線維の右巻き二重らせん状構造というキラリティに由来する。しかし、アクチン線維とミオシン線維が規則正しく配列した横紋筋サルコメアでは、アクチン線維はZ線を挟んで対称性に互いに反対方向を向いて位置するため、サルコメアにおける正味の回転トルクは打ち消されてしまう。その結果、サルコメア全体としては長軸方向の収縮力だけを生み出す。しかしながら、ある特定の条件下において回転トルクが解消されない場合には、一方向性のねじれを生じる可能性が想定される。本研究では、生体内におけるサルコメアの回転トルクが解消されない場面の探索をすすめ、その生理的場面における回転トルクの意義の解明を目指している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
アクトミオシン収縮装置であるサルコメアが非対称な形態をとった場合に、収縮と同時に回転トルクを生み出しているかどうかを培養細胞等を用いて検証を進めている。ねじれ成分の検出感度を上げるために、単細胞だけでなく細胞集合体や組織としてのねじれの検出を試みている。
|
今後の研究の推進方策 |
培養した単細胞レベルでなく細胞集合体や組織レベルでのねじれの検出が可能となれば、発達過程における臓器レベルの解析の実現可能性が期待できる。また、得られた実験データと理論計算データを統合化して、生体内におけるサルコメアの回転トルクの生理的意義の解明を目指す。
|