研究課題/領域番号 |
22K19434
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岩永 史朗 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (20314510)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | マラリア原虫 / 感染赤血球表面抗原 / 動物モデル / マラリア / ヒトマラリア / 表面抗原 |
研究開始時の研究の概要 |
熱帯熱マラリア原虫は赤血球に感染した際、自身のタンパク質を感染赤血球表面へと提示し、宿主免疫を回避・抑制する。しかし、同原虫がヒトにしか感染しないため、in vivoでの機能評価はできない。これに対し、本研究では(1)熱帯熱マラリア原虫の赤血球表面抗原を発現する組換えネズミマラリア原虫の作出、(2)ヒト標的分子を発現するマウスの作製を試み、表面抗原に着目したマラリア動物モデルを開発する。これにより、前述の技術的な課題を解決し、表面抗原を標的としたワクチン・治療薬開発に貢献する。
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研究成果の概要 |
熱帯熱マラリア原虫はヒトに感染するマラリア原虫の内、最も病原性が高く、発熱・脾腫に加え、特有の脳機能障害による重篤な昏睡(脳マラリア)を引き起こす。原虫ゲノム上には多数の赤血球表面抗原分子(PfEMP1; 約60種, RIFIN; 約200種, STEVOR;約30種)が存在し、原虫はこれらの分子を使い宿主免疫回避・抑制、並びに病原性を示す。しかし、熱帯熱マラリア原虫が人にしか感染しないため、有効な動物モデルの開発が急務である。本研究ではネズミマラリア原虫の感染赤血球表面にRIFINを発現することに成功した。今後、これを用いた動物モデルの開発が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では熱帯熱マラリア研究の動物モデルを開発することを目標とし、熱帯熱マラリア原虫の感染赤血球表面抗原の一つであるRIFINをネズミマラリア原虫の感染赤血球表面に発現することを試みた。具体的にはネズミマラリア原虫の感染赤血球膜に局在するPbEMAP1にRIFINを融合発現する組換え原虫を作製した。最終的に2種類のRIFINについて、これらを感染赤血球表面に発現する原虫を作製した。この成果によってこれまで不可能であった熱帯熱マラリア原虫の感染赤血球表面抗原のin vivo研究が可能となり、ワクチン開発の重要な研究ツールとなると考えられた。
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