研究課題/領域番号 |
22K19441
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
金子 修 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (50325370)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | マラリア / 培養 / Plasmodium vivax / Plasmodium cynomolgi / Plasmodium knowlesi |
研究開始時の研究の概要 |
三日熱マラリア原虫はヒトの幼若赤血球に侵入し増殖するが、大量のヒト幼若赤血球をルーチンに入手することは困難であるため実用的な培養系が存在しない。そこで、熱帯熱マラリア原虫のヒト成熟赤血球を認識するリガンドを三日熱マラリア原虫に導入することで、ヒト成熟赤血球に侵入し、発育することができる三日熱マラリア原虫の作出を目指す。この原虫を用いることで、本原虫の実用的な培養系が確立できると考える。
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研究実績の概要 |
三日熱マラリア原虫はヒトの幼若赤血球に侵入し増殖するが、大量のヒト幼若赤血球をルーチンに入手することは困難であるため実用的な培養系が存在しない。そこで、熱帯熱マラリア原虫のヒト成熟赤血球を認識するリガンドを三日熱マラリア原虫に導入することで、ヒト成熟赤血球に侵入し、発育することができる三日熱マラリア原虫の作出を目指す。この原虫を用いることで、本原虫の実用的な培養系が確立できると考える。次年度はP. cynomolgiを用いて作製するリガンド発現プラスミドの評価とP. cynomolgiにおける表現型を検討することを計画した。 初年度にP. cynomolgiへのEBA175発現プラスミドの導入を開始したが、3か月たっても薬剤耐性原虫が出現しなかった。そのため、エピソームによる遺伝子導入に加えて、CRISPR/Cas9遺伝子編集なども用いた複数のプロトコールにより遺伝子導入実験を繰り返した。しかし、薬剤耐性株を得ることが出来なかった。P. knowlesiへの遺伝子導入は問題なく行われているため、P. cynomolgi、もしくは、我々の保有するP. cynomolgi株に固有の問題と思われる。また、我々の保有するP. cynomolgiは我々がin vitroで維持しているP. knowlesiや熱帯熱マラリア原虫よりも増殖速度が遅く、そのため、遺伝子導入の成功の有無の評価をするのに時間を要し、本年度中に組換えP. cynomolgi原虫を得ることができなかった。一方、初年度に確立したP. cynomolgiに最適化した培養培地を用い、複数のP. knowlesi感染ヒト患者の血液から、P. knowlesi in vitro培養株の樹立を試みたところ、ヒト株で樹立に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
次年度に計画するP. vivaxへの遺伝子導入を行うためには、P. cynomolgiへの遺伝子導入を再現性良く安定して実施できるようになる必要があるが、その最適化に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
P. cynomolgiへの再現性の高い遺伝子導入プロトコールの確立を優先して検討する。ルシフェラーゼ発現プラスミドを用いて、赤血球へのプレロード法、ロンザ社4D-Nucleofectorシステムおよびロンザ社Nucleofector 2b デバイスを用いて成熟分裂体期原虫に遺伝子導入する方法等について、条件を振って導入効率を検討することで、P. cynomolgiでの遺伝子導入法の最適化を進める。
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