研究課題/領域番号 |
22K19443
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
顧 建国 東北医科薬科大学, 薬学部, 教授 (40260369)
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研究分担者 |
高橋 伸一郎 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (40375069)
中の 三弥子 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 准教授 (40397724)
福田 友彦 東北医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (40433510)
下平 秀樹 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (70373214)
山口 芳樹 東北医科薬科大学, 薬学部, 教授 (90323451)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 糖鎖 / IgG / Fut8 / 免疫グロブリンG / コアフコース / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、これまで殆んど不明であったL-fucose投与によるIgGの量の制御と分子機序の解明、及びその意義を検討する。IgGのコアフコース修飾の役割を解明するだけでなく、様々な病態の理解や新規治療戦略につながる可能性がある。本研究によって現在大変注目されている抗体医療用抗体の血中半減期や副作用の制御、COVID-19感染の重症患者に見られたcytokine stormを抑えるためにL-fucoseの投与という副作用の少ない新規治療法の開発、また疾患の診断・治療・予後のバイオマーカーまたは抗体医薬の効果予測のマーカーの開発に繋げる可能性がある。
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研究実績の概要 |
抗体は、侵入する病原体や異物に対する防御に不可欠である。これまでの研究によって、免疫グロブリンG (IgG)上の糖鎖構造の違いは、IgGの機能(質)に大きな影響を与えることが明らかになりつつある。その代表的な糖鎖構造としてフコース転移酵素(Fut8)によるコアフコース修飾(コアフコシル化)が挙げられる。IgGのコアフコースを除去すると、ADCC活性が50倍以上に上昇することや、IgGとFc受容体(FcγR)との親和性が亢進することが示されている。申請者らは、Fut8ヘテロ欠損(Fut8+/-)マウスの血清IgGの量が野生型マウスに比べて有意に低下することや、そのFut8ヘテロマウスにL-fucoseを経口投与することでIgGの量が投与量依存的に増加することを見出した。申請者らは、オボアルブミン(OVA)を抗原としてマウスに免疫し、その後OVA抗原を認識するIgGの産生量を測定した。その結果、野生型マウスよりFut8ヘテロマウスのIgG抗体産生量が明らかに低下していることを明らかにした。面白いことに、その低下はL-fucoseの経口投与で改善された。L-fucoseの投与によって脾臓を含む多く臓器にコアフコシル化の増加がLCAなどのレクチンで確認された。また、L-fucoseの投与は、IgGの保護に機能する胎児性Fc受容体(FcRn)の発現に影響を与えないことも明らかにしている。一方、免疫細胞に発現するFcγR IVは、野生マウスに比べFut8ヘテロマウスでの発現が亢進された。その上昇はL-fucoseの経口投与で抑制された。さらに、ミクログリアBV2細胞にFcγR IVの発現を欠失させると、IgGの細胞内への取り込みが阻害された。以上の結果を統合的に考えると、IgGのコアフコシル化はIgGの安定性に極めて重要であると言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予想していた結果が得られつつある。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、L-fucose投与によるIgGのコアフコシル化と量の制御機構を解明するとともに、抗体医療や全身性エリテマトーデス(SLE)を含めた様々な疾患の新規診断・治療法の開発に貢献することを目指す。その目標を達成するため、今年度は以下の4点を検討する。 1)IgG上に付加されている糖鎖構造による細胞へに取り込みの制御と分子機序を解析する。 2)コアフコシル化によるIgGのFc受容体の発現とその制御を解析する。 3)SLEなどの膠原病患者検体におけるIgG量とIgGの糖鎖構造を解析する。
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