研究課題/領域番号 |
22K19450
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山本 雅之 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (50166823)
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研究分担者 |
鈴木 未来子 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (80508309)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | がん悪性化 / NRF2 / 前がん細胞 / 食道がん / EVI1 / 白血病 |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍組織は、様々な細胞で構成されている。本研究は、がん微小環境を構成する一員であるにもかかわらず、今まで見過ごされてきた「前がん細胞」に焦点をあて、前がん細胞が、がん細胞に及ぼす役割を解析する。急性骨髄性白血病では、前がん細胞由来の巨核球が白血病幹細胞を支持する機能を検証する。食道扁平上皮がんでは、物理的に接している細胞同士の競合において、正常細胞とがん細胞とのバリアとして働く機能を検証する。
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研究成果の概要 |
がん細胞の多くは、長い年月をかけてDNA変異を蓄積することで形成される。この過程では、様々な前がん細胞が生み出される。従来、前がん細胞は、がん細胞形成の単なる途中経過としか捉えられておらず、それ以外の役割は考慮されてこなかった。本研究では、多くのがんにおいて悪性化に関与することが知られているKEAP1-NRF2系に注目して解析したところ、NRF2活性化を伴う悪性腫瘍についても、周囲の正常細胞でのNRF2を活性化させることで腫瘍を抑制できることを明らかにした。また、KEAP1遺伝子変異を持つ扁平上皮細胞は消失するのに対し、NRF2遺伝子変異を持つ扁平上皮細胞は長く生存が可能であることを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、前がん細胞からがん細胞の形成過程において、KEAP1-NRF2系の変異が重要な役割を担うことを明らかにした。この知見は、悪性度の高いNRF2活性化がんの治療法の開発に有益な情報を与えるものである。また、本研究では、NRF2が活性化したがんモデルマウスの作出にも成功した。今後、同モデルマウスの新規治療薬開発へ向けた応用が進むものと期待される。
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