研究課題/領域番号 |
22K19458
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
的崎 尚 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (80252782)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 抗体依存性細胞貪食 / マクロファージ / SIRPα / CD47 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、CD47-SIRPα系を阻害した条件下で、がん細胞に発現する分子に対する抗体の機能スクリーング系を新たに確立し、様々な種類のがんに関して、マクロファージの腫瘍に対する抗体依存性貪食活性を強力に誘導でき優れた抗腫瘍効果を示す新規の治療薬を開発する。さらに、CD47-SIRPα系とは独立した、マクロファージによるがん細胞の貪食を抑制する新たな制御系を見出し、その系を利用した新規のがん治療法の開発をする。
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研究実績の概要 |
研究代表者は本研究の開始前までにCD47欠損マウス赤血球上の分子を抗原としたモノクロナール抗体を複数種得てきており、抗体には「野生型及びCD47欠損赤血球に対する貪食を正に制御する抗体(Aタイプ)」と「主にCD47欠損赤血球に対する貪食を正に制御する抗体(Bタイプ)」の大きく2パターンがあることを明らかにしてきた。Aタイプの代表的な抗体が認識する分子は赤血球膜に高度に発現する分子Xであったが、さらに、この抗X抗体の脾臓マクロファージ(MΦ)による野生型赤血球の貪食促進は、抗SIRPα抗体の存在下で有意に増強することも明らかにしていた。そこでこの抗体を抗SIRPα抗体と併用することで抗腫瘍剤としても利用できる可能性につき検討する目的で、マウス由来がん細胞株と骨髄由来MΦを共培養している培地中に抗SIRPα抗体と抗X抗体を添加してその作用を調べた。その結果、両抗体を共に添加した場合にはMΦによるがん細胞貪食が強く亢進することを見出した。また、in vivoおいても抗SIRPα抗体と抗X抗体の併用が強い抗腫瘍効果を示す可能性をがん細胞皮下移植マウスモデルの系で明らかにしつつある。一方、Bタイプの代表的な抗体が認識する分子についても本研究の開始前までに同定したところ、赤血球膜に発現する分子Yであったが、同時に脾臓MΦにも発現が確認され、すでにMΦによる貪食作用に関わることが知られている膜分子であった。この分子Yは、CD47-SIRPα系とは独立した機序により細胞貪食を抑制するシグナル系である可能性が示唆されるので、現在分子Y遺伝子欠損マウスを用いた解析を進めている。また一方で、CD47-SIRPα系を阻害した条件下でがん細胞に対するMΦ貪食をさらに強力に促進できる抗体を得るためにCD47欠損がん細胞の作出を進めた(この細胞上の分子を抗原として用いる目的のため)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
抗SIRPα抗体と併用することで強い抗腫瘍効果を示す可能性のある抗体が得られており、一方でさらに強力な抗体を作出するための準備も進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
in vitro及びin vivoおいて、抗SIRPα抗体と抗X抗体の併用が強い抗腫瘍効果を示すことを様々ながん細胞種について検討する。また、CD47-SIRPα系とは独立した機序により細胞貪食を抑制するシグナル系である可能性のある分子Yについては遺伝子欠損マウスを用いた解析を進める。一方、CD47-SIRPα系を阻害した条件下でがん細胞に対するMΦ貪食をさらに強力に促進できる抗体の作出を進める。
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