研究課題/領域番号 |
22K19470
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
荻原 秀明 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (40568953)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | パラログ / 合成致死性 / CBP/p300 / BRG1/BRM / ARID1A/ARID1B / 遺伝学的相補機構 / クロマチン制御因子 / 個別化がん治療 |
研究開始時の研究の概要 |
個別化がん治療法において、通常はある遺伝子異常をもつがん患者さんには、特定の治療薬が決まる。つまり、1つの治療薬は、特定の遺伝子異常のがんにしか有効ではない。本研究では、細胞の生物学的特性を利用して、複数の遺伝子異常のがんの治療に役立つ薬の種を探す研究である。本研究の成果は、1つの治療薬で、様々な遺伝子異常のがんに対して、効果的な治療を可能にすることが期待できる。
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研究成果の概要 |
合成致死性とは細胞内の2つの遺伝子が両方とも機能欠損したときに細胞死が起こる現象である。この現象は、似ている遺伝子同士(パラログ)でもしばしば起きる。片方のパラログがない細胞では、相方のパラログを抑制すると合成致死性となる。このとき、相方のmRNAが転写レベルで増加する遺伝学的相補機構がマウスなどの下等生物において知られていた。本研究では、パラログのノックアウト細胞株におけるヒト細胞モデルで遺伝学的相補機構を検証した。その結果、片方のパラログが欠損しても、相方のパラログが相補する現象は、遺伝学的相補機構による転写制御ではなく、タンパク質の量的制御が関与していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝学的相補機構は、マウスなどの下等生物で認められた現象であったが、本研究において、ヒト細胞株モデルで検証した結果、パラログ遺伝子間の転写を介した遺伝学的相補機構を確認することができなかった。しかし、当初想定していた転写レベルでの相補機構ではなく、タンパク質レベルでの相補機構が存在する可能性を見出した。これは、これまでに想定されていない細胞内の新規の機構が存在していることを示唆している。
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