研究課題/領域番号 |
22K19474
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2023) 愛知県がんセンター(研究所) (2022) |
研究代表者 |
井上 聡 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30801930)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | CAR-T細胞 / 加齢 / ゲノム異常 / CAR=T細胞 / クローン造血 / クローン性造血 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、加齢に伴い末梢血T細胞において蓄積される遺伝子変異を同定し、これらの変異遺伝子を野生型T細胞に付加することにより、その長期生存能を高め、同細胞から作製される抗腫瘍T細胞が持続的な治療効果を誘導できるという仮説を立て、以下の研究を進める。 ①末梢血T細胞における加齢に伴う遺伝子変異を検出する ②加齢に伴う遺伝子変異(群)が正常T細胞機能の長期生存能に寄与することを示す。 ③個々の変異遺伝子がCAR-T細胞機能に及ぼす性質変化を分子レベルで解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、加齢に伴い末梢血T細胞において蓄積される遺伝子変異を同定し、これらの変異遺伝子を野生型T細胞に付加することにより、その長期生存能を高め、同細胞から作製される抗腫瘍T細胞が持続的な治療効果を誘導できるという仮説を立て、以下の研究計画を立てた。加齢に伴う遺伝子変異として、TET2、DNMT3Aに加え、DUSP11を抽出した。DUSP11遺伝子をノックアウトさせたT細胞及びCAR-T細胞は、TET2やDNMT3AノックアウトT細胞とは異なり、未分化性(長期生存能)の促進が認められなかった。さらに細胞増殖やサイトカインや細胞障害性因子の産生能や細胞障害能についても影響が認められなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の正常部ゲノム解析により、多くの正常組織において、加齢によって体細胞変異が蓄積した細胞の一部が分化能を喪失したクローン性増殖能を獲得し、最終的に悪性化腫瘍を発症することが明らかになったが、これらは加齢によって発生する「前がん病変」を捉えることを目的とした研究であり、治療法に活用させることを意図した研究は皆無である。 本研究は、加齢に伴いT細胞で蓄積する、腫瘍化につながり得る遺伝子変異を逆にCAR-T細胞療法の治療効果改善に活用することを目指す、という新しい着想に基づく研究計画であり、既存の治療戦略の延長線にのらない治療法である。
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