研究課題/領域番号 |
22K19475
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 |
研究代表者 |
井上 大地 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構, その他部局等, 研究員(副センター長・部長クラス) (80735746)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | マイナーイントロン / RNAスプライシング / PTEN / 造血幹細胞 / スプライシング |
研究開始時の研究の概要 |
「マイナー(U12)イントロン」は99%以上を占めるメジャー(U2)イントロンとは対照的に、全イントロンのわずか0.3%でありながら細胞の生存や恒常性の維持に不可欠な遺伝子に進化的に保存されている。本研究では、進化学・遺伝学・腫瘍学の観点から、マイナーイントロンの存在意義、それらが制御する遺伝子発現調節機構、その異常がもたらす発癌への未知の作用を先進的な手法を用いて解明していく。
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研究成果の概要 |
全イントロンのわずか0.3%は、進化的に保存された特徴的な分岐点配列や5′配列を有しており、興味深いことに、それらは細胞の生存や恒常性の維持において不可欠な遺伝子のみに通常一つ含まれている。このような特殊イントロンは数の少なさから「マイナーイントロン(U12タイプ)」と呼ばれ、通常のイントロンとは異なる機構で除去される。本研究では、マイナーイントロンとがんとの関連や、進化的に保存されてきた意義についての探索を行い、その存在意義を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マイナーイントロンの制御破綻は血液がんを中心に認められているが、そのような特殊なスプライシング機構がなぜ進化の過程で保存されてきたのかは全く明らかになっていなかった。そこで、Pten遺伝子のマイナーイントロンをゲノムから除去したマウスモデルを作成し、造血幹細胞の機能を評価したところ、ストレス下において幹細胞性の維持が困難となることが明らかとなり、進化的保存の意義の一端を明らかとした。この研究はマイナーイントロンの制御破綻と発がんや老化をつなぐ上で、土台となる成果と言える。
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