研究課題/領域番号 |
22K19479
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分51:ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
能瀬 聡直 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (30260037)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / 膨張顕微鏡 / カルシウムイメージング / コネクトーム / 神経回路 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、全脳カルシウムイメージングを行った標本そのものにおいて膨張試料顕微鏡法を用いコネクトミクス解析を可能とすることで、脳神経系全体の「神経活動」と「回路構造」に関する情報を統合しその作動機構をシステムレベルで解析することを目的とする。このためショウジョウバエ幼虫をモデルとした研究を行う。具体的には特異的に可視化した神経突起を教師データとした深層学習により、膨張試料顕微鏡画像において神経突起を自動追跡可能な検出器を構築する。これにより、効率良く全細胞の形態を再構築・同定し、カルシウムイメージングとコネクトミクスのデータを照会可能とする。
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研究成果の概要 |
本研究では光学顕微鏡で比較的簡便に組織の微細構造を解析できる膨張試料顕微鏡法を用いて、神経細胞の「活動」に関する情報と「構造」に関する情報を統合することを目的とした。このため、幼虫中枢神経系に膨張試料顕微鏡法を適用し、100 nm程度の分解能を達成し、全神経細胞を染色したサンプルから単一の軸索・シナプスの構造を撮影することを可能とした。さらに、光変換カルシウムセンサーCaMPARI2と組み合わせることで、神経系の微細構造と活動強度を関連づけることが可能となった。以上の研究により、膨張試料顕微鏡法を用いて構造と神経活動を関連づける基盤を構築することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経回路を細胞レベルで解析することは、特に遺伝学的手法の開発が進んだモデル動物では重要な研究戦略であるが、神経細胞の数に比して良い遺伝子マーカーの数が少ないため、遺伝学的ラベリングができない細胞が生じ、それらはどうしても解析から漏れてしまう。本研究で開発した膨張試料顕微鏡法を用いた手法は、遺伝子マーカーの有無によらず神経細胞を効率良く同定することを可能とすることで、神経活動パターン解析の自由度を大きく高めるであろう。
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