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フレイル状態変化に基づくヒト老化制御因子としてのエクソソームmicroRNA探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K19496
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分52:内科学一般およびその関連分野
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

新村 健  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70206332)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワードフレイル / エクソソーム / microRNA / サルコペニア / コホート研究 / 老化 / 認知機能障害 / 骨粗鬆症
研究開始時の研究の概要

がん細胞や老化細胞での基礎研究を踏まえ、エクソソームmicroRNA(miR)はヒト老化を仲介する液性因子として有望と考えた。高齢者が寝たきりに至る前段階、フレイルとはヒトの老化促進状態であり、まだ可逆性を有することから、適切な介入により健康状態に回復するとされる。そこで、ヒトにおける経時的なフレイル状態の変化に着目して、エクソソームmiRプロフィールを比較解析することにより、ヒトにおける老化制御因子を同定できるのではないかと推測した。よって本研究の目的は、我々が主催する高齢者コホート研究、FESTAの参加者において、ヒト老化制御因子としてのエクソソームmiRを探索していくことである。

研究実績の概要

2023年度も引き続き丹波篠山在住高齢者を対象としたコホート研究を継続し、計256名に参加いただいた。これでCOVID-19流行によるコホート研究中止期間開けの2021年10月17日以降に本コホート研究に参加した高齢者は延べ776名となった。このうち501名は本コホート研究に2回以上参加していた。
そこでこの501名の参加者の最終参加時と前回参加時のAWGS2019に基づいたサルコペニアの状態を対比し、①ロバスト→ロバスト群、②ロバスト→サルコペニア群、③サルコペニア→ロバスト群、④サルコペニア→サルコペニア群の4群に分類した。さらに各群全例の臨床背景や血液検査データを確認し、心肺腎肝の慢性疾患、糖尿病、直近2年以内のがん罹患歴のない症例のみを選別した。③サルコペニア→ロバスト群は数が十分でなかったため、他の3群から44名(男性20名、女性24名、①ロバスト→ロバスト群16名、②ロバスト→サルコペニア群19名、④サルコペニア→サルコペニア群9名)をエクソソームmicroRNA解析の対象者として選定した。これらの症例ではJ-CHS基準によるフレイル状態変化も確認済みであり、フレイル状態変化による群分けも可能である。
これらの症例の凍結保存していた血清試料を用いて、まずエクソソーム分画を抽出し、次にmicroRNAを抽出した後、microRNAAチップを用いた発現解析を行う計画である。血清からのエクソソーム分画の抽出に関しては、富士フィルム和光純薬に、microRNAの抽出から3D-Gene マイクロRNAチップを用いた発現解析は東レ株式会社 鎌倉テクノサイエンスに検査委託を行う。現在、血清からエクソソーム分画の抽出は終了し、精度チェックのための電子顕微鏡撮影検査も終了したことから、サンプルを東レ株式会社鎌倉テクノサイエンスに引き渡したところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

過去2年間、順調にコホート研究は実施できた。しかし、サルコペニア、フレイル状態の変化に基づくエクソソームmicroRNA発現変化を検討するには、サルコペニア、フレイル状態の変化を認めた参加者を数多く集める必要があった。その為には、調査参加者の追跡率を上げる必要があり、参加者のリクルートにそれなりに時間がかかったことが進捗遅れの第一の原因である。
第二に解析委託するためには多くの研究費が必要であり、本科研費のみでは不十分であった。そこで研究資金の確保のために時間を要したことが進捗遅れの原因である。幸い、研究資金のめどがついたため、2023年年度末に前記委託業者にサンプルを提出し解析検査を開始できた。

今後の研究の推進方策

2024年度も引き続き高齢者コホート研究は継続する。すでに6月と7月の実施に向けて準備を進めている。
今後、microRNA発現解析結果が出た時点で、各群間のmicroRNA発現変化を明らかにし、サルコペニア、フレイル状態変化と関連したmicroRNAを同定したい。まず、①ロバスト→ロバスト群と③サルコペニア→サルコペニア群の2群で発現レベルの異なるmicroRNAを同定する。次に①ロバスト→ロバスト群と②ロバスト→サルコペニア群の2群で発現レベルの異なるmicroRNAをサルコペニア促進候補として選定し、②ロバスト→サルコペニア群と③サルコペニア→サルコペニア群の2群で発現レベルの異なるmicroRNAと対比したい。選定されてきたmicroRNAが複数ある場合は、おのおのの臨床的意義を確認する目的で、臨床背景や血液検査データ、身体機能データとの関係を解析する。
同様の解析を、J-CHS基準による①ロバスト→ロバスト群、②ロバスト→フレイル群、③フレイル→ロバスト群、④フレイル→フレイル群の4群間で比較して行っていきたい。
追加資金の確保ができ、2024年度のコホート研究により、③サルコペニア→ロバスト群の対象者数が増えた際には、この群においてもエクソソームmicroRNA解析を行い、サルコペニア抑制候補microRNA選定に向けた追加解析を行いたいと考えている。
以上の解析結果は、2024年度後半または2025年度前半の関連医学会での学会発表、および2025年度中の英語論文発表を目指して準備を進めていきたい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-07-05   更新日: 2024-12-25  

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