研究課題/領域番号 |
22K19501
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
銭谷 勉 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (50443487)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 分子機能イメージング / 蛍光X線 / CT / 超高解像度 / ピンホールコリメータ / 分子機能画像 |
研究開始時の研究の概要 |
放射性同位元素を使用せずに生体内機能を画像化する分子イメージング装置として、X線で励起した特定の物質からの蛍光を利用する3次元蛍光CT(Computed Tomography)を開発している。本研究では、ピンホールコリメータを被写体に近接した拡大撮像システムを構築する。このとき、視野サイズとX線ビームサイズを一致させる。これにより、超高解像度画像が正確に得られることをシミュレーション、ファントム実験、動物実験で明らかにする。
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研究実績の概要 |
我々は、放射線同位元素を使用せずに、同様の機能画像が得られる装置として、X線で励起した特定の物質からの蛍光を利用する3次元蛍光X線CT(Computed Tomography)を開発してきた。従来、CTでは被写体全体を視野内に含む必要があるとされていたが、蛍光X線CTで、視野サイズとX線の照射領域を一致させれば、局所領域を正確に画像化できると考えられる。このとき、ピンホールコリメータを近接使用すれば、拡大撮像により解像度を大幅に改善できる。本研究では、ピンホールコリメータを用いた蛍光X線CTで、視野サイズとビームサイズを一致させた局所領域拡大撮像システムを構築し、シミュレーションと撮像実験によりその可能性を明らかにする。 昨年度は、放射線計測用モンテカルロシミュレーションソフトウェア(Geant4)の動作環境を構築し、Geant4で蛍光X線CTをシミュレーションするプログラムを作成した。ヨウ素溶液が一様に分布するシンプルなファントムを被写体に設定し、入射ビームサイズを局所視野サイズと同じにしたシミュレーション行い、トランケーションの影響が抑制される可能性が示唆された。 本年度は、4つ穴にヨウ素を封入したファントムを被写体としてシミュレーションを行い詳細な評価をした。被写体位置とピンホールコリメータの距離を30 mmから15 mmに小さくし、撮像視野を12 mmから6 mmとして、中央の局所領域を拡大率2倍で撮像した。従来の広いビームでは、再構成画像の視野周辺でアーチファクトが見られ、中央のヨウ素領域では画素値の過大評価が見られた。しかし、視野と同サイズの6 mmのビームサイズにすることでアーチファクトや画素値の過大評価が抑制された。ヨウ素領域のエッジから解像度の改善が確認でき、局所高解像度撮像の可能性が示された。また、撮像実験のためのピンホールコリメータの準備ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度実施予定だったシミュレーションが本年度までずれ込んだ。そのため、本年度予定していた撮像実験ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は撮像実験での評価がメインとなり、本年度実施できなかった撮像実験も実施する必要がある。高エネルギー加速器研究機構放射光実験施設の2024年度実験課題を申請し採択されたので、多くの撮像実験を実施できるように多くのビームタイムの確保に努める。また、実験の高効率化を図るため、高感度コリメータや高感度検出器の導入を検討する。
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