研究課題/領域番号 |
22K19502
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
前川 素子 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (50435731)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 自閉症 / FABP4 / 脂肪酸 / 超音波発声 / 樹状突起スパイン / シナプス / サイトカイン / 脂肪細胞 / 生理活性物質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「発達期の脳では脂肪組織由来のFABP4及びそのリガンドが臓器の枠を超えて神経系の発達に影響する」という仮説について、培養細胞を用いて検討を行う。具体的には、 FABP4が神経細胞に直接影響を与える可能性、FABP4欠損脂肪細胞から分泌される有効成分(FABP4以外)が神経細胞に影響を与える可能性、について、脂肪細胞および神経細胞の培養系を用いて調べる。
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研究成果の概要 |
我々は過去に、脂肪細胞型脂肪酸結合タンパク質Fatty acid binding protein 4 (FABP4)の機能低下が自閉症病態形成に関与する可能性を報告した。しかし、以前の研究ではFABP4機能低下が神経系に影響を与える時期が特定できなかった。本研究では、特に脳発達期に限局してFABP4機能低下の影響を調べた。その結果、FABP4機能低下群では、自閉症様の行動表現型、錐体細胞樹状突起スパイン密度の上昇を認めた。さらに、母体の血漿を用いた脂肪酸解析の結果、複数の脂肪酸組成の変化が見られた。これらの脂肪酸組成の変化が、自閉症のリスク形成につながる可能性が推測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでのFABP4研究は成人におけるメタボリックシンドロームや慢性炎症中心の研究であった。本研究により、脳発達期においてFABP4を阻害することが自閉症のリスク形成につながることが見出された。今後、それぞれの分野で培われてきた成果を「融合」させることで、将来的にブレークスルーや新たな研究領域の創出につながることが期待できる。 本研究では、自閉症リスクとの関連が疑われる脂肪酸を同定した。今後これらの物質が神経発達に与える影響を調べることで、自閉症表現型を改善する物質であることがわかれば、将来的に自閉症の予防法や治療法の開発につながる可能性がある。
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