研究課題/領域番号 |
22K19505
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
岡沢 秀彦 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50360813)
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研究分担者 |
森 哲也 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 助教 (40397287)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ミトコンドリア障害 / 酸化ストレス / 認知症 / 神経変性疾患 / セラノスティックス / 酸化還元 / アルツハイマー病 / Cu-ATSM / 認知症治療 / thernostics |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまで、ミトコンドリア(MT)機能障害による脳内酸化ストレスが神経変性を促進する要因であると考え、放射性Cu-ATSMがMT機能障害部位で集積が亢進することを確認し、各種神経変性疾患の酸化ストレスと病因との関係を報告してきた。現在、ADを含む認知症に応用し、疾患関連部位での酸化ストレスを生体画像で描出している。これをさらに発展させ、酸化ストレス治療薬としての非放射性Cu-ATSMの効果を、病理組織および[Cu-64]ATSM PET画像で確認し、MT障害や脳内微小環境の改善効果をPET画像で直接予測し、治療に繋げる新たな認知症theranosticsを確立する。
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研究実績の概要 |
我々はこれまで、ミトコンドリア機能障害による脳内酸化ストレスが神経変性を促進する要因であると考え、放射性Cu-ATSMがMT機能障害部位で集積が亢進することを確認し、各種神経変性疾患の酸化ストレスと病因との関係を報告してきた。現在、アルツハイマー病(AD)を含む認知症に応用し、疾患関連部位での酸化ストレスを生体画像で描出している。これをさらに発展させ、酸化ストレス治療薬としての非放射性Cu-ATSMの効果を、病理組織および[Cu-64]ATSM PET画像で確認し、ミトコンドリア機能障害や脳内微小環境の改善効果をPET画像で直接予測し、治療に繋げる新たな認知症theranosticsを確立することが本研究の目的である。 非放射性Cu-ATSMが脳内酸化ストレス治療薬として作用するか、その効果を基礎実験で確認するため、高齢マウスに対し非放射性Cu-ATSMを連日継続投与し、脳内酸化ストレス指標の変化を、生食を投与したコントロール群と比較する。また、Cu-ATSM以外の薬剤として、抗酸化ストレス効果があるとされるCoQ10等でも同じ実験を行い、各薬剤の酸化ストレス抑制効果を比較する。 本研究課題では、対象とする高齢マウスの選定が大変重要であり、入手の可能性を調査した。また、非放射性Cu-ATSMの脳内への効率的移送法も重要となるため、薬剤投与法を引き続き検討した。PET画像用放射性Cu-ATSMの合成は十分な経験があるものの、非放射性Cu-ATSMの品質検定法が十分確立されていないため、その方法の確立を目指した。現段階では、カニューレによる経鼻的投与より、腹腔内への一定量i.p.が適した投与法と考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで実験対象となる高齢マウスの選定を行い、ただちに非放射性Cu-ATSMの投与を開始する予定であったが、非放射性Cu-ATSMが高額であるのと、品質検定法が未だ十分確立されておらず、パイロットスタディがやりづらい状況である。ヒトでの解析は順調に進められているため、ターゲットとする脳部位や、解析すべき病態については明らかとなっているが、脳組織による基礎検討、in vivoによるイメージングともに実施するためにはさらなる予備的検討が必要であった。
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今後の研究の推進方策 |
非放射性Cu-ATSMの品質検定法を確立させ、実験対象となる高齢マウスの選定を行った上で、実際のex vivo, in vivo実験を開始する。非放射性Cu-ATSMおよび高齢マウス・認知症モデルマウスは高額であるため、実験計画を十分検討した後に効率的に進めて行く予定である。
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