研究課題/領域番号 |
22K19521
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
柴 祐司 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (70613503)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | iPS細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、自家iPS細胞を用いた心筋再生治療の開発である。自家iPS細胞を用いた心筋再生は、コストとレギュレーションの観点から実現の見通しが立っていない。 本研究では、霊長類慢性心筋梗塞モデルにおいて、自家iPS細胞由来心筋細胞を移植し、免疫抑制剤を使用せずに細胞が生着するか明らかとする。さらに、自家iPS細胞移植により心機能が改善することを証明する。
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研究実績の概要 |
1)カニクイザルiPS細胞由来心筋細胞の作製とレシピエントカニクイザルの同定 フィリピン産カニクイザル5頭から、皮膚組織由来線維芽細胞に対して、エピゾーマルベクターを用いてOct3/4、Sox2、Klf4、L-Mycを遺伝子導入することによりiPS細胞を5系統作製した。未分化iPS細胞に対して、アクチビンA、BMP4を加えることにより、レシピエト1頭当たり2×10^8個の心筋細胞を3頭分作製し、凍結保存した。またレシピエントカニクイザルについて、MHC型同定を行い、15頭確保した。 2)霊長類前臨床移植試験 レシピエント動物に対して、全身麻酔下で開胸し、左冠動脈前下行枝中部で血流を遮断し、3時間後に再灌流することにより心筋梗塞モデル(ischemia/reperfusion injury)を作製する。心筋梗塞作製12週間後の慢性期に、自家移植(N=2)を行った。4週間後の組織解析では、グラフト心筋に対する炎症細胞浸潤が見られた。自己細胞移植においても、一定程度免疫応答が誘発されることが示され、少量の免疫抑制剤を併用して移植試験を再開することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全個体に移植するためのiPS細胞株を樹立し、そのうち3頭分に関しては心筋細胞の作製および凍結保存が終了した。実際の自己細胞移植試験が開始され、自己細胞移植であっても、免疫応答が誘発されることを示した。現在、少量の免疫抑制剤を併用し、試験を再開している。
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今後の研究の推進方策 |
自己iPS細胞由来心筋細胞移植後に細胞生着に必要な免疫抑制剤を同定するとともに、同種移植に対する有用性を検討する。 さらに慢性心筋梗塞に対する心筋細胞移植の有効性を検証する。
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