研究課題/領域番号 |
22K19522
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 光夫 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (70467281)
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研究分担者 |
田中 一大 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40809810)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 長鎖非翻訳RNA |
研究開始時の研究の概要 |
変異KRASは固形癌において最も高頻度に認められるドライバー癌遺伝子であるが、薬物的なシグナルの直接遮断が難しく、治療薬開発は難航している。別のアプローチとして合成致死が期待されるが、従来の報告は変異KRAS癌の合成致死遺伝子が存在する可能性は低いことを示す。そこで、本課題は合成致死に導く標的として遺伝子ではなく長鎖非翻訳RNA (lncRNA)に着目する。lncRNAは最も多い転写物であり、多彩な機能を持つとされるが個々のlncRNAの機能は大部分が未解明である。したがって、合成致死の標的としての高い可能性を持つと考えた。以上から本課題はlncRNAを標的とする変異KRAS肺癌の合成致死治療開発を目的とする。
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研究実績の概要 |
変異KRASは肺癌において最も高頻度のドライバー癌遺伝子である。しかし、EGFR変異などに対する分子標的治療薬と同程度の効果を示す薬剤の開発には至っていない。変異KRAS肺癌に対する治療薬開発のアプローチとして、合成致死が期待されてきたが、複数の研究が変異KRAS癌の合成致死遺伝子存在の可能性は低いことを示唆した。そこで、本課題はKRAS癌の合成致死の標的分子として非翻訳RNAの一つである長鎖非翻訳RNA(long non-cording RNA ; lncRNA)に着目した。本課題は、研究代表者が開発した不死化正常ヒト気管支上皮細胞モデルHBECを用いて、変異KRAS肺癌の合成致死標的となるlncRNAを同定する。さらにその機能を解明し、lncRNAを標的とする変異KRAS肺癌に対する合成致死治療薬の開発を目指す。 一般的に使用されるウイルスベクターはlncRNAの二次構造を変化させ、機能を損なうことが報告された。近年この問題を克服したELECTSベクターが開発された。我々は、開発者から癌促進的なlncRNAとして報告されている2種類のlncRNAが組み込まれた発現ベクターの供与を受け、HBEC細胞および肺癌細胞に導入した。およそ20倍程度の発現増加が得られたが増殖は不変であった。今後はトランスフェクション条件の最適化により発現量を増加させ、最終的には両lncRNAの過剰発現細胞における癌促進作用の証明を目指す。また。不死化正常気管支上皮細胞HBEC3-RIN2細胞において変異KRAS発現を誘導し、続いて、次世代シークエンス解析を実施した。その結果、変異KRAS発現により発現が増加するlncRNAを複数同定した。lncRNAのノックダウン実験にはRNA干渉よりもアンチセンスがより優れることが示唆されているため、アンチセンスによる同定lncRNAの個別ノックダウンを行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
トランスポゾンベクターによるlncRNA導入実験において、供与されたポジティブコントロールベクターによる細胞増殖能の増強が未確認であり、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
トランスポゾンベクターによるlncRNA導入実験については、今後はトランスフェクション条件の最適化により発現量を増加させるよう工夫し、癌促進的なlncRNAとして報告されている2種類のlncRNAの過剰発現による癌促進作用の証明を目指す。これが成功すると、今後同定される変異KRAS発現により発現が増加するlncRNAについて、それらの機能解析が可能となる。また、変異KRAS発現により発現が誘導されるlncRNAの同定については順調である。今後は、さらに、それらのlncRNAの機能解析を中心に進めていく。
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