研究課題/領域番号 |
22K19536
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
森田 英明 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 免疫アレルギー・感染研究部, 室長 (90365320)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | アレルギー / タフト細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
衛生環境、栄養状態の改善と共に、我が国の平均寿命は年々伸びる一方で、急速な高齢化や生活習慣の変化により、循環器疾患、脳血管疾患、糖尿病を含む生活習慣病や、アレルギー疾患、自己免疫疾患、炎症性腸疾患を含む炎症性疾患の増加が問題となっている。本研究では、上皮細胞の一種であるタフト細胞に着目し、全身性炎症性疾患の病態に関与する因子を同定を目指す。
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研究成果の概要 |
近年、上皮細胞の一種で様々な味覚受容体を持つ特殊な細胞である「タフト細胞」が消化管、呼吸器を含む全身の臓器に一定数存在することが報告され注目を集めている。一方で、このタフト細胞が炎症性疾患においてどのような役割を担っているのかは不明な点が多い。本研究では、タフト細胞の炎症性疾患における関与を明らかにし、味覚刺激による炎症性疾患の発症メカニズムを明らかにすることを目的とした。小腸および肺のタフト細胞の特徴を解析し、味覚刺激成分を摂取したマウスでは小腸のタフト細胞が活性化されること、それにより肺における免疫細胞組成が変化し、喘息様気道炎症が増悪することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食品に含まれる味覚刺激成分が免疫に及ぼす影響については、不明な点が多く残されている。本研究により、味覚刺激成分が味覚受容体を有する特殊な上皮細胞の活性化を介して炎症を惹起するメカニズムの一端が明らかとなった。従来、味覚受容体は味蕾などの感覚器官にのみ存在し、外部環境や外敵の化学物質を感知することで生体防御の一端を担っていると考えられてきた。一方で、上皮細胞も味覚を感知して炎症を制御することが示されたことで、これらの特殊な上皮細胞に発現する味覚受容体、またはその活性機構を標的とした新たな治療法の開発につながる可能性がある。
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