研究課題
挑戦的研究(萌芽)
生後12ヶ月以内の乳児期に発症した白血病(乳児白血病)は、治療が難しく予後不良である。特にMLL遺伝子再構成陽性群、さらにその中でも転写因子IRX1が高発現する群は極めて予後不良であり、病態の解明と新しい治療法の開発が必要とされている。本研究では、申請者が開発した乳児白血病モデルを用いて、乳児白血病の起源となる細胞を同定する。さらに、同定した乳児白血病起源細胞の多能性を検証する。
MLL-AF4転座を有するBリンパ性白血病は、最も頻度の高い小児がんである。HOXA9の発現が高いHOXA9型と、IRX1の発現が高いIRX1型の2タイプあり、HOXA9型は年長児および成人に多く、IRX1型は乳児にしか認められない。本研究では、ヒト臍帯血CD34+細胞にMLL-AF4を導入して免疫不全マウスに移植し、IRX1型およびHOXA9型のMLL-AF4白血病モデルを作製した。また、single cell RNA-seqを行い、IRX1型では幹細胞関連遺伝子の発現が上昇していることを見出した。これらは、乳児白血病に対する治療戦略を構築する上で基盤となる成果である。
生後1年未満の乳児に発症する白血病を乳児白血病と言います。乳児白血病の多くでMLL遺伝子の異常が認められ、特に、MLL-AF4転座型乳児白血病は、頻度が高くかつ予後も悪いことから臨床上の大きな問題になっています。MLL-AF4転座型白血病は、HOXA9の発現が高いHOXA9型と、IRX1の発現が高いIRX1型の2タイプに分けられます。本研究では、ヒト臍帯血由来の造血幹細胞にMLL-AF4を導入してHOXA9型、IRX1型の2種類の乳児白血病モデルを作製し、さらに単一細胞RNAシークエンシングを行って両者の病態を明らかにしました。これは、乳児白血病に対する治療法開発の基盤となる成果です。
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