研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究の目的は、肝グルコース取り込みに伴う遺伝子転写制御とその破綻の解明である。肝グルコース取り込みは、脂肪合成酵素やヘパトカインなどの遺伝子転写を介して、肝臓糖脂質代謝を制御する。また、肥満・インスリン抵抗性では、肝グルコース取り込みに伴う肝臓遺伝子転写制御も障害される。本研究において、肝グルコース取り込み制御メカニズムとグルコース応答性遺伝子転写とのシステム連関について、肝グルコース取り込み制御分子の変異マウスを用いて解明する。
本研究では、肝グルコース取り込みに伴う遺伝子転写制御とその破綻の解明を進めた。肝グルコース取り込みは、脂肪合成酵素やヘパトカインなどの遺伝子転写を介して、肝臓糖脂質代謝を制御する。また、肥満・インスリン抵抗性では、肝グルコース取り込みに伴う肝臓遺伝子転写制御も障害される。本研究において、肝グルコース取り込み制御メカニズムとグルコース応答性遺伝子転写とのシステム連関について、肝グルコース取り込み制御分子の変異マウスを用いた解明を進めた。本年度は、1)肝グルコース取り込みの変化の解明、2)肝グルコース応答の解明、3)過栄養・肥満における肝グルコース応答の役割の解明を行った。1)肝グルコース取り込みの変化の解明では、肝細胞の栄養環境変化による肝グルコース取り込みとGck活性の役割の解明を行った。具体的には、Gck活性を増強または抑制する遺伝子改変マウスから、初代培養肝細胞を単離し、Gckが肝グルコース取り込みに及ぼす作用を解明を進めた。その結果Gck活性の抑制が糖取り込み低下に、増強が脂肪化による糖取り込み障害の抑止につながることを見出した。2)肝グルコース応答の解明では、上記の遺伝子改変マウスでの肝臓グルコース取り込みへの作用を解析した。その結果Gck活性の抑制が耐糖能障害につながることを見出した。3)過栄養・肥満における肝グルコース応答の役割の解明では、上記の遺伝子改変マウスに対し、高脂肪食投与を行い、肥満を誘導したうえで、糖脂質代謝解析を行った。Gck活性の増強が、脂肪肝による耐糖能障害の予防につながることを見出した。
2: おおむね順調に進展している
本年度は、1)肝グルコース取り込みの変化の解明、2)肝グルコース応答の解明、3)過栄養・肥満における肝グルコース応答の役割の解明を行った。1)肝グルコース取り込みの変化の解明では、肝細胞の栄養環境変化による肝グルコース取り込みとGck活性の役割の解明を行った。具体的には、Gck活性を増強または抑制する遺伝子改変マウスから、初代培養肝細胞を単離し、Gck活性が肝グルコース取り込みに及ぼす作用を解明を進めた。その結果Gck活性の抑制が糖取り込み低下に、増強が脂肪化による糖取り込み障害の抑制につながることを見出した。2)肝グルコース応答の解明では、上記の遺伝子改変マウスでの肝臓グルコース取り込みへの作用を解析した。その結果Gck活性の抑制が耐糖能障害につながることを見出した。3)過栄養・肥満における肝グルコース応答の役割の解明では、上記の遺伝子改変マウスに対し、高脂肪食投与を行い、肥満を誘導したうえで、糖脂質代謝解析を行った。Gck活性の増強が、脂肪肝による耐糖能障害の予防につながることを見出した。上記のごとく、研究計画は予定どおり、おおむね順調に進展した。
今後も、1)肝グルコース取り込みの変化の解明、2)肝グルコース応答の解明、3)過栄養・肥満における肝グルコース応答の役割の解明を行う。1)肝グルコース取り込みの変化の解明では、肝細胞の栄養環境変化によるGck活性の役割を解明する。Gck活性を増強または抑制する遺伝子改変マウスから、初代培養肝細胞を単離し、Gck活性が遺伝子転写制御に及ぼす作用を解明を行う。2)肝グルコース応答の解明では、上記の遺伝子改変マウスでの肝臓遺伝子転写変化、さらには、その糖脂質代謝表現型解析を行う。3)過栄養・肥満における肝グルコース応答の役割の解明では、上記の遺伝子改変マウスに対し、高脂肪食投与を行い、肥満を誘導したうえで、肝臓遺伝子転写変化・糖脂質代謝の解析を行う。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
Nature Communications
巻: 14 号: 1 ページ: 167-167
10.1038/s41467-023-35804-w
Sci Rep
巻: 12 号: 1 ページ: 13719-13719
10.1038/s41598-022-17964-9
https://inoue.w3.kanazawa-u.ac.jp/