研究課題/領域番号 |
22K19551
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
|
研究機関 | 九州大学 (2023) 秋田大学 (2022) |
研究代表者 |
久場 敬司 九州大学, 医学研究院, 教授 (10451915)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 扁平上皮癌 / 腫瘍免疫 / 転移 / 空間的トランスクリプトーム / T細胞 / Galectin-7 / がん微小環境 / G-CSF / 好中球 / 空間的トランスクリプトーム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
マウス扁平上皮癌細胞の転移モデルの腫瘍組織について空間的トランスクリプトーム解析を行うことにより、腫瘍局所において転移を促進する因子としてMIE-1を見出した。腫瘍免疫抑制と転移促進の関連が示唆されたことから、癌細胞からのMIE-1分泌機構ならびにMIE-1による腫瘍免疫抑制の作用機序を解明すると同時に、食道癌患者の腫瘍組織、血液におけるMIE-1の発現量と転移、再発予後との関連を解明する。
|
研究成果の概要 |
高転移腫瘍の空間的トランスクリプトーム解析で見出したリンパ節・肺転移の新たな制御因子Galectin-7の役割、意義を明らかにすることを研究目的として研究を行った。腫瘍免疫抑制の領域でGalectin-7の発現は上昇していたが、Galectin-7は免疫細胞の活性化にほとんど影響を与えなかった。また、癌細胞でも低酸素はGalectin-7の発現に影響を与えなかったが、TNF-aによりGalectin-7の発現が制御されることが分かった。さらに、G-CSFが好中球浸潤の誘導や細胞増殖に重要であることを見出した。ヒト食道癌の組織アレイ解析でG-CSF高発現は予後不良と相関することが分かった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果により、Galectin-7の阻害が食道や頭頚部の扁平上皮癌に対する治療に応用できることを世界に先駆けて明らかにした。とりわけGalectin-7の阻害には細胞増殖を抑制する作用がなく転移を特異的に抑えることから、通常の抗がん剤のような副作用の危険性が少ないことが利点であると考えられる。また、本研究で新たにG-CSFが癌細胞の増殖と免疫抑制を促進しがん悪性化に寄与することが分かり、さらに食道癌の予後不良と相関することが明らかになった。Galectin-7とG-CSFの2つの標的を合わせて食道や頭頚部の扁平上皮癌の治療、診断に応用することが期待される。
|