研究課題/領域番号 |
22K19555
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
若林 健二 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20723795)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 集中治療医学 / 急性肝不全 / 細胞外小胞 / 肝移植 / 小児科学 |
研究開始時の研究の概要 |
急性肝傷害 (ALI)はICU患者に高頻度で認められ、増悪して急性肝不全 (ALF)に至ると致命率は30%以上に及ぶ病態である。細胞外小胞 (EV)は脂質二重膜に囲まれた内部に多彩な伝達物質を包含し、EVの一種であるmicrovesicle (MV)は、近年になって臨床的有用性と各種病態生理への寄与が急速に注目を浴びている。本研究は申請者の呼吸器系疾患におけるMV研究の経験をALIの研究に活かして、ALFの希少な臨床検体と動物実験検体を活用し、MVのALIにおける臨床的有用性を診断・成因特定・病態機序の点から解明することを目的とした、多分野に渡るインパクトが期待される挑戦的研究計画である。
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研究実績の概要 |
本研究は1)ALFにおける重症度・予後予測因子としてのMVの有用性の検討、2)ALIの成因と病期の違いによるMV profileの影響についての検討、3)ALIの検体に含まれるMVを用いたバイオアッセイ系の確立を主な目標としており、本年度は3)を中心に研究を進めた。MVはsubtype毎に内容物や生理活性が異なっており、バイオアッセイ系を用いてMVの役割を解明するためには、同じ親細胞由来のMVを分離することが重要である。我々は、主に好中球由来MVの分離に取り組んだ。具体的には、日本赤十字社からの研究用に提供された全血製剤を用いて、遠心分離とMagnetic cell sorting(MACS)法を組み合わせて、好中球由来MVの分離を行った。プロトコールの工夫を重ねて、結果的に回収率 37%、割合が91.2%と純度の高い好中球由来MVの抽出に成功した。今後は、この技術を用いて患者やマウスに由来する好中球由来MVの生物学的活性についてバイオアッセイ系を用いて検討する。 上記に加えて、我々はALFにおける更なるMV Subtypeを解析した。アセトアミノフェン(APAP)投与によって作成したマウスALFモデルにおいて、肝細胞由来MVを測定してところ、小児ALF患者と同様にALFモデルマウスでは対照と比べてMV数が増加する傾向を示した。一方で、血小板由来MVについては小児ALF患者及びALFモデルマウスにおいて、対照と比べてMV数が著しく低下していることが判明した。このことから、MVはsubtype毎に異なる挙動を示しており、subtype毎に病態に与える影響が異なっていると考えられ、MVの役割の解明にはMV分離による生物活性評価が重要であると考えられる。今後は臨床検体及びマウスによる追加実験を行いながら、バイオアッセイによる評価を継続的に進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は依然としてコロナ対応の臨床・管理業務に追われた結果、研究チームの人員不足であった事もあり、臨床検体の採取が充分に進まず、ALF及びALI患者のMV profileに関する研究は遂行が難しかった。
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今後の研究の推進方策 |
他施設および自施設の連携研究員の協力のもと、臨床検体の採取を進める予定である。実験動物におけるMV profile及びバイオアッセイは引き続き進めていく。加えて、補佐員の雇用を進め、研究の加速を図る。
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