研究課題/領域番号 |
22K19557
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
吉田 淑子 富山大学, 医学部, 客員教授 (00171421)
|
研究分担者 |
荒井 健一 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 研究員 (40752960)
岡部 素典 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (60283066)
小島 伸彦 横浜市立大学, 理学部, 准教授 (90342956)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
|
キーワード | 膵島 / 羊膜由来細胞 / 絨毛膜由来細胞 / ヒト乾燥羊膜 / 免疫寛容 / メチルセルロース / スフェロイド形成 / RNA seq解析 / ヒト乾燥羊膜(HD羊膜) / RNA seq / 羊膜由来上皮細胞 / 羊膜由来間葉系細胞 / ヒト乾燥羊膜(HD羊膜) / 羊膜細胞 / 免疫寛容能 / 移植ツール / 膵島移植 / 生着率の向上 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、羊膜の免疫寛容能力(拒絶を起こさないという性質)に着目し、羊膜由来細胞を移植細胞の移植効率を上げるツールとして利用する方法を確立することが目的である。拒絶を起こし難い羊膜由来細胞で被覆した膵島を移植することにより、膵島自体が拒絶から回避されることが期待される。これにより、これまでの移植技術では、免疫抑制剤を服用する事により全身的に免疫抑制を行い、拒絶を回避しているが、移植局所での拒絶を回避する事により、移植組織の生着率・生存率の向上が期待されるだけでなく、患者のQOLを向上させることが可能になる。本研究は、膵島の被覆にとどまらず組織移植の新たな技術の創出としての意義を有する。
|
研究成果の概要 |
重篤な糖尿病の治療方法の一つに膵島移植がある。膵島を肝臓の門脈という血管から点滴投与することで、患者への侵襲が極めて低く、繰り返し移植が可能なことからインスリン療法からの離脱を図れる治療法として注目されている。近年、大変良好な免疫抑制剤が開発されたとはいうものの、同種他家移植であることから、拒絶反応を完全に否定することができない。羊膜由来細胞や絨毛膜由来細胞がもつ免疫寛容能(拒絶を起こさない性質)や抗炎症効果に着目し、メチルセルロース溶液に細胞を浮遊させた細胞懸濁液を利用して膵島を被覆した。拒絶を起こしがたい膵島片の作成により、移植効率の向上が期待される。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵島の生着率の向上。膵島移植が同種他家移植であるため、拒絶反応を完全に回避することは難しい。免疫抑制剤による全身性の抑制ではなく、局所において拒絶を誘導する要因を減弱させ、拒絶を回避する事は膵島の生着率を向上するだけでなくレシピエントのQOLをも著しく向上させる。 本方法が確立されれば、脳死あるいは心臓死からのドナーからだけでなく,将来的には3Dで培養することが可能となった「オルガノイド」を作成して、組織よりも臓器に近い構造体での移植を実施する事が可能となる。移植材料の不足を補填するだけでなく組織・臓器移植の技術革新となると考える。
|