研究課題/領域番号 |
22K19558
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 里奈 京都大学, 医学研究科, 助教 (80847517)
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研究分担者 |
伊達 洋至 京都大学, 医学研究科, 教授 (60252962)
山田 義人 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (80375691)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 肺移植 / 急性細胞性拒絶 / 慢性拒絶 / 線維化 / 二次リンパ組織 / 三次リンパ組織 / 慢性期移植肺機能不全 / 拒絶反応 |
研究開始時の研究の概要 |
肺移植は末期呼吸不全患者に対する唯一の救命手段だが、他の臓器移植に比べて長期予後は明らかに不良である。最も大きな要因が、慢性拒絶による「慢性期移植肺機能不全(chronic lung allograft dysfunction: CLAD)」である。ステロイド・カルシニューリン阻害剤などの現在の免疫抑制剤に代わる新たな移植後維持療法の確立が望まれている。本研究の概要は、臨床状況を反映するマウス肺移植CLADモデルを開発し、そのモデルを用いて、拒絶反応を反映する移植肺内のリンパ球集簇や移植肺の線維化に至る過程やメカニズムを解明し、新たなCLADの予防治療法を検討することである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、①臨床状況を反映するマウス肺移植・慢性期移植肺機能不全(chronic lung allograft dysfunction: CLAD)モデルを開発すること、②そのモデルを用いた慢性拒絶に至らしめる免疫応答の解明と新たな治療ターゲットの提案を目指すこと、である。BALB/cマウスの左肺をB6マウスに同所性に移植し、術後に低用量の免疫抑制(ステロイド・シクロスポリン)を行うことで、移植後15日で急性細胞性拒絶反応が、30日でリンパ球の集簇とともに血管気管支周囲や胸膜に線維化が生じ、各種免疫染色を検討することで、肺移植臨床で経験する線維化主体のCLAD(RAS: restrictive allograft dysfunction)をよく反映するモデルであることを確認した。本モデルにおいて、移植肺には三次リンパ組織の形成と考えられるリンパ球集簇がみられたが、免疫染色の結果からは、リンパ球集簇は三次リンパ組織の形態をとっていないと考えられた。そこで、本モデルにおける二次リンパ組織のCLAD進展への関与を検討するため、レシピエントに二次リンパ組織欠損マウスを用いたところ、急性細胞性拒絶は起こるが線維化には進展しないことが判明した。二次リンパ組織での免疫応答が、細胞性拒絶から線維化への進行に重要な役割を果たすと考えられた(京都大学とWashington University in St. Louisと共同で本実験は行った)。さらに、本モデルの移植後15日と30日の肺胞洗浄液を用いてサイトカイン・ケモカインの包括的解析をパネルシートを用いて行い、15日時点からのsICAM-1の上昇が特徴的であることが明らかになった。sICAM-1は、線維化が主体となる他疾患においてもその上昇が指摘されており、CLAD進展の予測マーカーや治療ターゲットとして今後検討を行う予定である。
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