研究課題/領域番号 |
22K19563
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
濱野 公一 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60263787)
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研究分担者 |
上野 耕司 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30736070)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | microRNA / 血管新生 / 再生医療 / 細胞外小胞 / エクソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
心臓移植を必要とする患者の移植待機期間は約4年と長期である。そのため、心臓移植に代わる治療法として、細胞移植による再生医療研究が行われている。我々は、細胞が分泌する因子の一つであるエクソソームと呼ばれる直径約20~150 nmの細胞外小胞を用いた再生医療研究を進めている。我々は、エクソソームの特性を活かす方法として、経静脈投与で虚血組織に集積するエクソソームを開発している。虚血組織に集積する特性を持ったエクソソームを開発することが出来れば、点滴で投与されたエクソソームが虚血組織に集積することで、血管新生を誘導する低侵襲な再生医療を実現できる可能性がある。
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研究成果の概要 |
アレイ解析、in vitro解析、in vivo解析によるスクリーニング実験から、血管新生能があるmicroRNAとして、miR-765を同定した。miR-765を内包したエクソソームを下肢虚血マウスモデルの大腿部に投与すると、血管新生関連遺伝子であるFGF2、PDGF-A、PDGF-B、VEGF、HGF、DHHの発現レベルが上昇する結果を得た。miR-765がFGF2を上昇させる機序として、これまでの報告を参考にして実験を行ったところ、miR-765がDPP4を抑制することで、FGF2を上昇させていることを示唆する結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
幹細胞由来エクソソームは、幹細胞と同じ血管新生能を持つことが報告されており、その機序は、エクソソームに内包されているmicroRNAが関与していると考えられている。本研究において、研究代表者は、独自のスクリーニング実験により、血管新生能を持つmicroRNAとしてmiR-765を見出した。miR-765の血管新生の機序は、miR-765がDPP4を抑制することで、FGF2が上昇し、血管新生が誘導さていると考えられる。本研究は、幹細胞由来エクソソームではなくても、miR-765を導入したエクソソームであれば、虚血組織に対して血流改善を誘導する可能性があり、虚血疾患に対する治療薬として期待される。
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