• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

疾患特異的乳歯幹細胞モデルによる胆管障害症の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K19565
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
研究機関九州大学

研究代表者

山座 孝義  九州大学, 歯学研究院, 教授 (80304814)

研究分担者 園田 聡一朗  九州大学, 歯学研究院, 助教 (10831985)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード乳歯幹細胞 / 胆管障害 / 胆道上皮細胞 / 胆管
研究開始時の研究の概要

本研究の目的は「乳歯幹細胞を用いた胆道上皮細胞分化誘導法を開発し、胆管障害患児由来の疾患特異的な乳歯幹細胞を用いて新規ex vivo解析モデルを構築すること」である。胆管障害とは胆汁の排泄障害を呈する進行性の慢性肝疾患であるが、原因・発症機構が未解明である。肝移植以外の根治治療がなく、代替となる有効な治療法の開発が責務である。申請者らは乳歯幹細胞の肝細胞分化について多数の研究成果を報告してきた。本研究ではその知見を生かし、乳歯幹細胞による胆道上皮細胞分化誘導法を開発する。さらに胆管障害の患児より乳歯幹細胞を単離し、胆管上皮細胞への分化能や機能を比較検討することで胆管障害発症機序の解明を目指す。

研究実績の概要

胆管障害(cholangiopathies, CP)は胆汁排泄障害という共通の臨床症状を示す慢性肝疾患である。すべてのCPは進行性の疾患であるため、胆汁うっ滞や肝線維化を経て、肝不全をきたす。CPの中には原因遺伝子が明らかなものもあるが、未だ原因不明な疾患も数多くある。それゆえ、すべてのCPの発症メカニズムが十分に解明されていない。現在、疾患動物や多能性幹細胞(iPS細胞・ES細胞)によるモデル解析やトランスクリプトーム解析によってCPの原因・発症メカニズム解析が進められている。しかし多岐に渡るCPの原因・発症メカニズムを個々に解析するツールが十分得られていない点が最大の問題点である。成体における胆管上皮細胞への分化機転に次の2つの経路が考えられる。1・発生学的知見に基づいた経路、2・肝細胞からの分化転換経路である。前年度までの研究で、CPに由来する乳歯幹細胞を樹立し、2通りの培養方法を検討した。1の経路に基づいた培養方法では、組織学的解析において胆道上皮細胞マーカーであるCK19陽性細胞が認められた。2の経路に基づいた培養方法においてもCK19陽性細胞が認められ、平板培養において管腔様の形態形成が認められた。本年度は遺伝子解析ならびに3次元培養による胆管形態の解析を行なった。2の経路に基づいて平板培養によって分化誘導した細胞を浮遊培養し、スフェロイドを形成させ、3次元培養を行なった。3次元培養下でもCK19陽性細胞が認められ、コリルリシルフルオレシンの取り込みが認められた。また、胆道上皮細胞マーカー遺伝子の発現も認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、前年度に確立した2の経路に沿った培養系において、3次元培養を行い、胆管構造の再現を試みた。3次元培養下においても、胆道上皮細胞マーカーであるCK19陽性細胞が認められ、CLFの取り込みも認められた。本研究の最終的な目的である胆管障害特異的乳歯幹細胞の分化培養による、胆管障害疾患の病因解析および治療方法の確立に向けて、胆道上皮細胞分化培養系の開発が進んでおり、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

胆管障害は胆汁排泄障害という共通の臨床症状を示す慢性肝疾患であり、胆道上皮細胞の機能異常にのみならず、胆汁の輸送が可能である胆管構造の形成異常が 主要な発症メカニズムであると考えられる。したがって、胆管障害の発症メカニズムを解明するためには、胆管構造を形成しうる分化培養系を開発する必要があ る。今後の研究の推進方策として、本年度の成果である3次元培養を用いた培養方法をさらに検討し、胆管構造再現の評価方法の確立を目指す。また、胆管構造を形成する分化細胞の胆管上皮細胞分化マーカーの解析を行い、細胞レベルでの分化度を明らかにする。また、分化細胞のビリルビン輸送能・取り込み能を解析し、胆道上皮細胞としての機能を解析する。十分な分化が確認された分化系を用いて、胆管障害特異的乳歯幹細胞の分化培養を行い、非疾患群の乳歯幹細胞と分化度を比較する。さらに、胆管障害特異的乳歯幹細胞の遺伝子発現解析ならびにエピジェネティック解析を行い、発症の原因となる因子の同定を試みる。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)

  • [雑誌論文] Erythropoietin receptor signal is crucial for periodontal ligament stem cell-based tissue reconstruction in periodontal disease2024

    • 著者名/発表者名
      Zakaria MHD. Fouad、Sonoda Soichiro、Kato Hiroki、Ma Lan、Uehara Norihisa、Kyumoto-Nakamura Yukari、Sharifa M. Majd、Yu Liting、Dai Lisha、Yamauchi-Tomoda Erika、Aijima Reona、Yamaza Haruyoshi、Nishimura Fusanori、Yamaza Takayoshi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 14 号: 1 ページ: 6719-6719

    • DOI

      10.1038/s41598-024-57361-y

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Extracellular vesicles rejuvenate the microenvironmental modulating function of recipient tissue-specific mesenchymal stem cells in osteopenia treatment2023

    • 著者名/発表者名
      Sonoda Soichiro、Yamaza Takayoshi
    • 雑誌名

      Frontiers in Endocrinology

      巻: 14 ページ: 1151429-1151429

    • DOI

      10.3389/fendo.2023.1151429

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Targeting hepatic oxidative stress rescues bone loss in liver fibrosis2022

    • 著者名/発表者名
      Soichiro Sonoda, Sara Murata, Haruyoshi Yamaza, Ratih Yuniartha, Junko Fujiyoshi, Koichiro Yoshimaru, Toshiharu Matsuura, Yoshinao Oda, Shouichi Ohga, Tasturo Tajiri, Tomoaki Taguchi, Takayoshi Yamaza
    • 雑誌名

      Mol Metab

      巻: 66 ページ: 101599-101599

    • DOI

      10.1016/j.molmet.2022.101599

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-07-05   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi