研究課題/領域番号 |
22K19573
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
村田 宮彦 東海大学, 文理融合学部, 教授 (50222435)
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研究分担者 |
広田 喜一 関西医科大学, 医学部, 研究員 (00283606)
松尾 禎之 関西医科大学, 医学部, 講師 (50447926)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 肺外呼吸 / 腹膜 / 低酸素 / 動物実験 / 人工呼吸 / 呼吸不全 / 低酸素血症 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではCOVID-19の肺炎等緊急的な肺胞換気停止により引き起こされる低酸素血症、および心停止・脳障害などの重篤な病態克服のため、肺を経由せずに腹膜を経由して酸素供給を可能にする新技術、すなわち「腹膜人工呼吸法」の開発を目的とする。その骨子は下記4つである。1)腹腔へ酸素注入を行い、腹膜が肺外における血液のガス交換の場として利用できるかを探る。2)その効率を高める手法を探求する。3)低酸素血症ラットモデルを用いて病態改善効果を証明する。4)低酸素誘導性因子1 (HIF-1) の活性化抑制を指標として酸素供給能の評価を行う。
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研究実績の概要 |
様々な呼吸器疾患で発生する低酸素状態の改善方法として、腹膜を利用して血液の酸素化を試みる研究であるが、動物実験設備の問題などから予定より進行が遅れており、動物を使用する前段階のシステム構築(下記)が終了したところである。 ラットを人工呼吸(夏目製作所 KN57)を用いたイソフルラン麻酔下(夏目製作所 KN1071)で使用する。肺における酸素化(=酸素/二酸化炭素のガス交換)が低下した状況を作り出すためには、低酸素(10%)の酸素・窒素混合ガスを供給した人工呼吸を行う。この状況下で、余分なガスを逃すフラップを作った腹腔内に純酸素を注入し、血中酸素分圧・酸素飽和度の変化を複数回測定し(アボット iStatアナライザー)、腹腔内酸素投与が血中酸素に与える効果を定量するものである。 酸素投与時には、ガス交換を阻害する腹膜表面を覆う液の厚みを減らす試みとしてバブリングを試みることにしている。このために医療用サーファクタント(田辺三菱製薬 サーファクテン)の投与と、噴射口として開口径を望むままに小さくできるガラスマイクロピペット(熱でガラス管を溶解しつつ引っ張るプラーで作成可能な電気生理学の基本ツールである)が準備されている。 実験後のラット個体は安楽死の後、複数の臓器をサンプルとして取り出し、共同研究者により低酸素誘導因子(hypoxia-inducible factor、HIF)-1Alphaおよび、その下流分子の発現アッセイを行い、低酸素の影響の軽減を各臓器で明らかにできる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
遅れている理由は以下の通りである。 1)発注した実験機材(iStat)およびガス(低酸素実験用の酸素・窒素混合ガス)の納品が非常に遅れた。(理由は不明) 2)個人的な問題であるが、家族の精神疾患の悪化により、その介護のために研究時間が大幅に削られた。
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今後の研究の推進方策 |
上記の問題について、1)は既に解決(納品済み)。2)も医療・福祉の介入のおかげで症状は軽減し事態は好転したため、これから当初の予定にある動物実験(学内動物実験委員会認可済み)に入ることとなる。
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