研究課題/領域番号 |
22K19574
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
三木 敏生 日本大学, 医学部, 教授 (80845305)
|
研究分担者 |
太向 勇 日本大学, 医学部, 助手 (20836556)
堀江 真史 金沢大学, 医学系, 准教授 (60732659)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
|
キーワード | ミトコンドリア / 細胞間水平移動 / 網羅的遺伝子解析 / 移送開始シグナル / 細胞膜ナノチューブ / 細胞外小胞 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、細胞間でミトコンドリアの受け渡し現象が確認されている。本研究では、このミトコンドリアの細胞間水平移動がどのように開始されるのかについて、分子生物学的手法を用いて解明する。ミトコンドリアを受け取った細胞と受け取らなかった細胞で異なる遺伝子発現に注目し、開始シグナルに関わる候補遺伝子を同定する。これらの遺伝子の機能を検討し、ミトコンドリアの細胞間水平移動のメカニズムを明らかにする。将来的には、本研究で得られた成果から細胞間コミュニケーションの制御方法を開発し、ミトコンドリア病の新規治療法のみならず生活習慣病、がん、老年医学などの分野において新しい治療戦略につながることが期待される。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ミトコンドリアの細胞間水平移動のメカニズムについて、特にミトコンドリアの移動がどのように開始されるのかについて解明し、細胞間コミュニケーションを制御するための知見を得ることである。これにより、がん細胞の耐性獲得の阻止や酸化ダメージを受けた組織の修復を目的とする新しい治療方法の開発が期待される。本研究では、レンチウイルスベクターを用いて遺伝的に蛍光ラベルしたミトコンドリアを持つ細胞株を用いる。この実験系により、ミトコンドリアを受け取った細胞と受け取らなかった細胞をフローサイトメーターを用いて分別することが可能になり、それぞれのトランスクリプトームを網羅的に解析して、ミトコンドリア移送開始の契機となるシグナルを探求する。令和4年度は、予備実験としてDsRed、mCherry、TurboRFP、mKOkの4種類の異なる赤色蛍光タンパクのミトコンドリアへの移送とラベル効率について検討した。その結果、一般的によく使われている Discosoma sp由来の赤色蛍光タンパク(DsRed、mCherry)は細胞内において凝集塊を作成する傾向があるため、本研究においては偽陽性をきたす可能性があるという知見を得た。 また、予備的にフローサイトメーターを用いて分別した細胞のRNAseq解析を行い差次的遺伝子発現の解析を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は、当初の研究計画通り遺伝的に蛍光ラベルしたミトコンドリアを持つ細胞株を用いた実験系の確立、予備的RNAseqなどを行い、予定通り順調に進捗している。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、RNAseqにより得られた差次的発現遺伝子データを解析し、その結果からミトコンドリア移送に関わると思われる遺伝子の同定を行う。選抜した候補遺伝子の機能を探索するため、multi-shRNA法および発現ベクターを用いた遺伝子導入により機能欠失/機能獲得 (LOF/GOF)実験を行い、機能的遺伝子の同定およびシグナル伝達経路を同定する。
|