研究課題/領域番号 |
22K19579
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
入山 高行 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10570442)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 妊娠高血圧腎症 |
研究開始時の研究の概要 |
ナノ医療技術の応用により、妊娠高血圧腎症(Preeclampsia:PE)に対する新規治療薬の開発を目指す。PEに対して著効する可能性が高いものの胎児毒性のために適用できない薬剤Xの胎盤通過性を低減し、胎児毒性を排した新たな薬剤を創製する。十分な薬効を保持しつつも胎盤通過性を可能な限り排除した薬剤Xを搭載した高分子ナノミセルの開発し、動物モデルでの薬物動態、胎仔移行性、胎仔毒性、薬効を評価する。
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研究成果の概要 |
妊娠高血圧腎症(PE)におけるレニン・アンジオテンシン系(renin-angiotensin system:RAS)の亢進は本質的な病態機序である。しかし、RAS阻害剤は胎児毒性のために妊娠中に投与ができない。そこで、既存のRAS阻害剤をミセル化ナノ粒子に搭載して胎盤通過性を排除することで、胎児への毒性懸念のない、PEに対する革新的治療薬の開発を目指した。東大工学部および東大創薬機構との連携のもと、RAS阻害剤搭載ミセル化ナノ粒子の設計を行った。既存のRAS阻害剤の活性をそこなわないと想定される部位にポリエチレングリコール(PEG)鎖を付加し、ナノ粒子を結合したミセル型RAS阻害剤を合成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
周産期疾患に対するナノ医薬の応用は未開拓の領域である。本研究は、胎児毒性の問題を克服すべく、ナノ医療技術の応用により薬剤の胎盤通過性を抑制するDrug Delivery System (DDS)を構築する、という革新的な研究となる。本研究で得られる技術や知見は、妊娠高血圧腎症だけでなく、重度の胎児発育不全に対して胎盤機能を改善すべく胎盤を標的としたDDSの確立も可能である。また、胎盤通過性を最小限に抑えて胎児毒性を回避するというDDSのコンセプトは、高分子ナノミセルに抗がん剤を搭載することで、悪性腫瘍合併妊婦の抗がん剤治療など、妊娠中の他疾患の治療にも応用が拡がる可能性を秘めている。
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