研究課題/領域番号 |
22K19588
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
古目谷 暢 横浜市立大学, 医学部, 助教 (60721082)
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研究分担者 |
佐藤 卓也 横浜市立大学, 医学部, 講師 (70599505)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 男性不妊症 / エクソソーム解析 / マルチオミックス解析 / 精子形成 / 生殖細胞 / バイオマーカー / オミックス解析 |
研究開始時の研究の概要 |
精巣細胞から分泌されるExosomeを対象とするオミックス解析を行ない、生殖細胞がどこまで精子に近づいているか、支持細胞の精子形成を誘導する能力がどこまで成熟しているか明らかにする。そして、精子のもととなる生殖細胞の存在を判定するマーカー、造精機能障害で多い減数分裂不全を判定するマーカー、精巣内に精子細胞が少量でも存在するかを判定するマーカーなどを同定し、新規男性不妊診断法、治療効果判定法を確立する。これによって高精度かつ繰り返し実施できる男性不妊検査法が確立すれば、病態解明、治療法の開発に向けた機運が高まり、男性不妊症領域全般への非常に大きな波及効果が期待できる。
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研究実績の概要 |
不妊症と診断される夫婦の割合は15%に達し、そのうちの50~60%は男性にも原因があり、特に20%は男性にだけ原因がある。精巣生検は侵襲が大きいため、精液中の精子の数と運動能を測定する精液検査により治療効果を判定しているが、僅か3~4日後に再検査しても数値が大きく変動してしまう。そこで、本研究では無精子症の患者を含む全男性不妊症患者の精巣内での精子形成を正確かつ継続的に測定できる新規男性不妊症評価システムを開発する。 そのために、精巣細胞から分泌されるExosomeを対象とするオミックス解析を行ない、生殖細胞がどこまで精子に近づいているか、支持細胞の精子形成を誘導する能力がどこまで成熟しているか明らかにする。そして、精子のもととなる生殖細胞の存在を判定するマーカー、造精機能障害で多い減数分裂不全を判定するマーカー、精巣内に精子細胞が少量でも存在するかを判定するマーカーなどを同定し、新規男性不妊診断法、治療効果判定法の確立を目指す。 このように高精度かつ繰り返し実施できる男性不妊検査法が確立すれば、病態解明、治療法の開発に向けた機運が高まり、男性不妊症領域全般への非常に大きな波及効果が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
閉塞性無精子症患者を患者対照群として、患者群である非閉塞性無精子症患者とのRNA、DNA、タンパク質、脂質などの相違を確認するために、患者群と患者対照群で下記試料の収集を開始した。将来的に両群で差があるExosome含有物質を想定した際に、精巣内での局在を網羅的に評価できるように患者対照群の精巣を用いてSpatial single cell解析を行った。 診療業務の一環として採取した精液の残余検体、診療業務で実施した採血の際に追加検体として末梢血を取得しつつ、診療業務の一環として外科治療を受けた患者からは精巣間質液、精巣静脈血などを取得している。しかし、解析に必要な数の症例が収集できておらず、解析作業に移行できていない。
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今後の研究の推進方策 |
各種試料の収集を継続し、精液、末梢血Exosome中のmiRNAを含むRNA解析を行い、発現変動遺伝子を明らかにする。精巣間質液、精巣静脈血などでも同様の解析を行なう。また、精巣組織のsingle cell RNA-seq解析結果を用いて、様々な成熟過程の生殖細胞や各種支持細胞の特徴的な遺伝子発現パターンと比較することで、生殖細胞特異的なマーカー、減数分裂期の生殖細胞特異的なマーカー、半数体細胞特異的なマーカーなどの同定を目指す。
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