研究課題/領域番号 |
22K19589
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
貴志 和生 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (40224919)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | SASP / 老化細胞 / 若返り / 老化 |
研究開始時の研究の概要 |
皮膚の老化においても、真皮内での老化細胞の蓄積と、それに続くSASPによる炎症、線維化が機序となっていると考えられているが、SASP細胞の同定・抑制・除去による皮膚の老化の阻止方法は、現時点で臨床応用されていない。本研究では老化細胞特異的な細胞表面マーカーを探索し、抗原抗体反応、特に光免疫療法を利用した皮膚の抗老化・若返りに向けての治療法開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、細胞老化モデルと通常のヒト線維芽細胞の発現遺伝子をRNA-seq法にて比較することにより、老化細胞を特異的に標識するマーカーを探索した。線維芽細胞細胞膜表面に発現する因子に絞り込み、これら遺伝子のコードするタンパク質が実際に細胞膜表面にあることを分離同定した。対象となる分子に対する抗体には治光感受性物質をコンジュゲートし、免疫沈降法により確認した。 本抗体を用いて光線暴露を行い、細胞の殺し分けができるか否かを確認したところ、若い細胞では細胞死はほとんど見られなかったが、老化した細胞で多くの細胞死の惹起を惹起することが確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
加齢に関連する疾患の発症には老化した細胞の蓄積が関与することから、抗加齢医療において生体から老化細胞を除去する治療法(senolysis)の開発が注目を集めてきた。皮膚においても老化細胞の除去は、SASPの悪影響を除去し、細胞外マトリックスの正常化、脂肪細胞の分化促進、炎症の軽減、および皮下構造の回復を介して老化の表現型を改善すると考えられた。本研究では、皮膚の老化に関与する老化線維芽細胞のみに特異的なマーカー分子を探索し、これを標的とした光免疫療法(Photoimmunotherapy; PIT)を用いた新しいアプローチのsenolysisを開発することで、有用な抗老化治療開発を目指した。
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