研究課題/領域番号 |
22K19592
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
|
研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
中山 義久 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳・神経科学研究分野, 主席研究員 (30585906)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 小脳 / 一次運動野 / 筋電図 |
研究開始時の研究の概要 |
大脳‐小脳‐筋肉の機能連関を明らかにするために、小脳の電気刺激に対する運動野の神経細胞の応答を調べる手法と、小脳と運動野の各脳領域の神経活動および筋活動を記録する手法といった2つの電気生理学的技術と、神経計算論的手法を組み合わせることで、情報の流れの向きを高い時間分解能で解析し、各脳脊髄領域が、いつ、どこの脳領域に情報を送っているのかを明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本研究課題は、大脳‐小脳‐筋肉の機能連関を明らかにするために、小脳の電気刺激に対する運動野の神経細胞の応答を調べる手法と、小脳と運動野の各脳領域の神経活動および筋活動を記録する手法といった2つの電気生理学的技術と神経計算論的手法を用いることで、情報の流れの向きを高い時間分解能で解析し、各脳脊髄領域が、いつ、どこの脳領域に情報を送っているのかを明らかにすることを目的とする。上肢の運動準備、実行、目標到達までの各運動局面を持つ随意到達運動をマカクサルに行わせ、大脳‐小脳‐筋肉の多階層 Closed-loop の複数領域の神経細胞活動を多チャンネルで同時記録する手法と、小脳の電気刺激により小脳-大脳連関を細胞レベルで生理学的に同定する手法を組み合わせる。これに加え、神経計算論的手法とSpike-triggered averaging 法といった解析技術を組み合わせ Closed-loop の各脳領域の神経活動の情報の流れの向きを高い時間分解能で解析することで、各脳脊髄領域が、いつ、どこの脳領域に情報を送っているのかを明らかにする。 本年度は、前年度までに行動課題を学習済みのマカクサルを対象に電気生理学実験を行った。まず歯状核に埋め込まれた電極より電気刺激を行い、同時に大脳皮質運動野の神経細胞活動を記録することで、小脳から投射を受ける運動野の神経細胞を同定した。次にその細胞が筋活動の生成に直接関与するかを検討するために、細胞活動の記録と同時に上肢到達運動に関わる上肢の筋肉群の活動を記録し、Spiketriggeredaveraging 法により、その細胞が筋肉を支配しているか否かを検討した。二頭のサルより、小脳の電気刺激に応答し、かつ筋肉を支配していることを示す細胞が複数記録された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに、二頭のサルに対して電気生理学実験が完了している。解析の結果、一次運動野の中に小脳歯状核の刺激に応答し、さらに筋活動を生成する細胞が複数個同定できた。この結果は、小脳が視床と一次運動野を介して脊髄に情報を送り、筋活動の生成するという仮説を支持するものである。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度で電気生理学実験が終了し、神経細胞および筋活動の記録が完了した。次年度はこれらのデータの解析を継続するとともに、組織標本の作製と解析を進める。解析したデータをまとめ、成果を国際学会で発表する。また、欧文専門誌への投稿を目指す。
|