研究課題/領域番号 |
22K19593
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
遠藤 俊毅 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (00535370)
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研究分担者 |
新妻 邦泰 東北大学, 医工学研究科, 教授 (10643330)
田中 徹 東北大学, 医工学研究科, 教授 (40417382)
大沢 伸一郎 東北大学, 大学病院, 助教 (00813693)
中川 敦寛 東北大学, 大学病院, 教授 (10447162)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 脊髄腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
脊髄悪性腫瘍の代表、脊髄悪性神経膠腫は稀で、予後が極めて悪い。腫瘍が瀰漫性に脊髄 内へ浸潤しているため、機能温存の観点から十分な腫瘍摘出が行えないためである。光線力学療法は、悪性 腫瘍細胞のみを壊死させ、正常組織を障害しないため、脊髄悪性神経膠腫に対する現行治療の欠点を補うと期待される。本研究では、脊髄悪性神経膠腫に対し、光線力学療法を応用した新 規治療法の開発を目的とする。その方法として、高効率・高輝度発光可能なアップコンバ ージョンナノ粒子セルを用いた体内埋め込み型デバイスの開発を行う。デバイスを適正化 しラット脊髄腫瘍モデルに対する光線力学療法の有効性を評価、非臨床POCを確立する。
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研究実績の概要 |
本研究は、光線力学療法を用いて予後不良の脊髄悪性腫瘍(神経膠腫)に対する革新的な新規治療法を開発することである。本研究組織は、半導体工学者、臨床医、基礎医学・生物学研究者、が一堂に会して開発を進めている。 第一に皮下に植え込みその奥にある脊髄へ光刺激を伝達するための新規インプラントデバイスを開発すること、第二にインプラントデバイスをもちいた非侵襲光刺激療法が脊髄腫瘍を制御する非臨床(動物実験)概念実証(Proof of concept: POC)を確立することをおこなっている 光線力学療法は、腫瘍を切らずになおすためこれまでの治療概念を大きく変革、転換させる潜在性を有する。本研究ではインプラントデバイを様々な形状にし、目的とする波長光を高効率に使用可能にするという、新規の領域を開拓する。本研究が成功した暁には、過去、光透過性や侵襲性の問題で用いることができなかった可視光による非侵襲かつ on demand治療が可能な中枢神経疾患の新規治療につながる可能性がある。 これまでに・ラット脊髄腫瘍モデルに光感受性物質タラポルフィンナトリウム(5mg/kg)レーザー光(Meiji Seika ファルマ株式会社製、波長664nm、10J/cm2)による光線力学療法、腫瘍制御に必要な光強度・暴露時間の算出と安全性試験を行っている。また、体外から照射した組織透過性の近赤外光を、組織内で光刺激が可能な可視光に変換するために、アップコンバージョン(UC)技術を用いている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラット脊髄悪性神経膠腫モデルに光感受性物質タラポルフィンナトリウム(5mg/kg)レーザー光(Meiji Seika ファルマ株式会社製、波長664nm、10J/cm2)による光線力学療法実験を行い、腫瘍制御に必要な光強度・暴露時間の算出と安全性試験をおこなった。現在インプラント用の実験を進めているため。
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今後の研究の推進方策 |
体内留置インプラントデバイスの開発を用いて、体外から照射した組織透過性の近赤外光を、組織内で光刺激が可能な可視光に変換する。 このデバイスを脊髄腫瘍近傍皮下に導入可能な形状とし、UCインプラントデバイスを作製する。 作製したインプラントデバイスを用いた非侵襲光刺激療法、脊髄悪性神経膠腫に対する新規治療開発のための非臨床POC確立を行い、インプラントデバイスを使用した光線力学療法の効果検討を行いたい。
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