研究課題/領域番号 |
22K19621
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
池邉 一典 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (70273696)
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研究分担者 |
高阪 貴之 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (40755360)
渡邉 幹夫 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50294088)
山下 元三 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (90524984)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 双子研究 / 歯 / 歯周病 / 長期縦断研究 / エピゲノム / 高齢者 / 口腔 |
研究開始時の研究の概要 |
一卵性のふたごの高齢のペアを対象とした長期縦断研究によって,口腔の健康状態が,高齢期の全身疾患や機能障害などに及ぼす影響を明らかにする.歯周病や口腔機能低下が,動脈硬化や糖尿病,認知症などに関連することが,多くの疫学研究から示されている.一方,全身疾患は,環境要因(後天的)に加えて遺伝(先天的)要因の影響を強く受ける.したがって,高齢期の表現型に対する後天的要因の影響を確認することは,たとえランダム化比較試験を行ったとしても,遺伝的に異なる集団の比較では,厳密に言えば不可能である.そこで,一卵性のふたごを対象に,縦断研究を行い,口腔の健康状態と全身疾患や機能低下との真の因果関係を証明する.
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研究実績の概要 |
大阪大学大学院医学系研究科附属ツインリサーチセンターで2010~2013年度にベースライン検査した116組のうち,60歳以上で歯数と歯周病のconcordant pairとdiscordant pairを抽出した.歯周病については,PISA(Periodontal Inflamed Surface Area),すなわち炎症部の面積を用いて重症度を表した.PISAは,歯周ポケット上皮の面積(PESA)をとあわせて,定量的に評価することで歯周病の重症度のみならず炎症創の広がりを数値でわかりやすく示すことができる.数値で表すには,歯周ポケットの臨床的アタッチメントレベル(CAL)と歯肉退縮量,プロービング時の出血の値を計算用フォーマットに記入して計算する.歯周病と全身性疾患の関連を調べる際の指標として有用であることが示されている.low concordant pair(両者ともPISA150以下で20本以上残存)5組,high concordant pair(両者ともPISA400以上で20本以上残存)5組,discordant pair(片方がPISA400以上もしくは150以下,残存20本以上)5組を分析対象として抽出した.歯数については,low concordant pair(両者とも残存歯28本以上,PISA200未満),low concordant pair(両者とも残存歯28本以上,60歳以上PISA200未満),discordant pair(残存歯に10本以上の差がある)16組を分析対象として抽出した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分析に必要な数の60歳以上で歯数と歯周病のconcordant pairとdiscordant pairを抽出した.
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今後の研究の推進方策 |
歯数と歯周病のconcordant pairとdiscordant pairの高齢の一卵性のふたごのペアを対象とした長期縦断研究によって,歯周病や口腔機能低下の差が,動脈硬化や認知機能などに及ぼす影響を明らかにする.具体的には,疾患の発症や検査値の変化などの表現型のみならず,エピゲノム変化も含めてペアの2名を比較検討する.
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