研究課題/領域番号 |
22K19625
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (60613156)
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研究分担者 |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00225195)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | CAR細胞 / 骨髄 / 間葉系幹細胞 / scRNA-seq / BMP-2 |
研究開始時の研究の概要 |
骨髄ニッチ形成細胞であるCAR細胞は間葉系幹細胞としての性質も有するため,その起源から老化に至る一連の分化制御メカニズムを解明することは,ステムセルエイジングを起因とする加齢性疾患の予防や治療に繋がる重要な課題である.申請者らは,骨形成タンパク質として知られるBMP-2を用いて,CAR細胞を含み,造血を営む機能的な骨髄ニッチが形成された異所性骨髄器官を誘導することに成功した.そこで,本研究ではscRNA-seqおよび異所性BMP-2誘導骨髄を用いた細胞系譜実験により,CAR細胞の起源細胞をスクリーニングし,CAR細胞の起源および骨髄形成メカニズムの真相に迫る.
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研究実績の概要 |
CAR細胞は間葉系幹細胞としての性質も有するため,その起源から老化に至る一連の分化制御メカニズムを解明することは,ステムセルエイジングを起因とする加齢性疾患の予防や治療に繋がる重要な課題である.一方,申請者らは,骨形成タンパク質として知られるBMP-2を用いて,CAR細胞を含む造血を営む機能的な骨髄ニッチが形成された異所性骨髄器官を誘導することに成功した.そして,本モデルが,これまで難しかったCAR細胞の起源細胞のスクリーニングに応用可能であることを,予備的検討により見出した.そこで,本研究では,未だに明らかとなっていないCAR細胞の起源や骨髄形成メカニズムを明らかにすることを目的としている. 2022年度は,single cell RNA-SeqによるCAR細胞の起源候補細胞の抽出を行うため,8週齢のマウス大腿骨骨髄およびP7, P13のマウス大腿骨骨端部の二次骨化中心から細胞を採取し,1細胞解析 (single cell RNA-seq)を行った.そして,次元削減を行いUMAPにて二次元上に描写し,クラスター解析,アノテーションを行い,CAR細胞の起源となっている候補細胞の抽出を行った.2023年度は更に解析を進め,P7及びP13由来細胞には,Cxcl12陽性のCAR細胞と分化経路解析が可能なMmp13陽性の軟骨細胞が存在することが明らかとなった.これらの細胞集団に対して,Trajectory解析を行ったところP7,P13のMmp13陽性軟骨細胞からCAR細胞への分化経路が推測された.このMmp13陽性軟骨細胞は,石灰化や基底膜コラーゲンをコードしている遺伝子の発現が高発現している細胞群であることが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今回8週齢,P7, P13のマウスから細胞を採取してsingle cell RNA-seqを行い,Trajectory解析を行い,うまくCAR細胞の起源細胞を抽出することができた. しかし,P7より若齢のマウスやP13より高齢のマウスから細胞を採取してこれまでのデータを統合して解析した方がより正確にtrajectory解析ができる可能性が出てきたため,次のステップに行くことができなかった.そのため,従来の計画よりやや遅れていると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,より正確にTrajectory解析を行うため,P5およびP28のマウス大腿骨骨端部の二次骨化中心から細胞を採取し,2023年度に行ったsingle cell RNA-seq解析のデータと統合して解析する.そして,これらの解析結果をもとに,CAR細胞の起源をさらに詳細に解析する.
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