研究課題/領域番号 |
22K19629
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
工藤 保誠 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (50314753)
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研究分担者 |
毛利 安宏 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (80464353)
北島 正二朗 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任講師 (00452590)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | FAT1 / 顎顔面形成 / ソニックヘッジホッグ / 顎顔面形成異常 / 第1咽頭弓 / 顎顔面形成不全 |
研究開始時の研究の概要 |
顎顔面領域の発生の理解は、日常生活に基本となる「食べる」、「話す」などの機能に直結する重要な課題である。顎顔面の形態不全や機能不全は、著しくQOLを低下させるが、下顎・舌形成に関わるシグナル経路や分子制御機構は未だ不明な点が多い。本研究では、ヒト口腔がん患者で高頻度に認められる遺伝子変異を有するFat1 KIマウスがホモ接合体のときに、高率で重度の下顎・舌形成障害を示すことを見出したことから、下顎・舌形成におけるFAT1の機能を解明することを目的としている。本研究成果により下顎・舌形成における分子制御機構の詳細を明らかにすることが期待される。
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研究成果の概要 |
ヒト口腔がん患者で高頻度に認められる遺伝子変異を有するFat1 KIマウスを作製し、ホモ接合体が重度の下顎・舌形成障害を示すことを見出した。下顎や舌は第1咽頭弓から発生することから、Fat1 KIマウス第1咽頭弓の形態学的解析およびトランスクリプトーム解析を行った。胎齢9.5から10.5日の間に、第1咽頭弓の中央部に位置するmidline structureの消失、同部位における遺伝子発現パターンの異常を見出した。さらに、Fat1の下流にあるYAP/TAZの活性化を介した転写因子であるTEADによるヘッジホッグシグナル経路の異常が第1咽頭弓の形態学的異常に関わることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Fat1 KIマウスにおける顎顔面形成異常に、Fat1シグナル下流のTEADによる遺伝子発現抑制がShh遺伝子発現を低下させ、第1咽頭弓の形成不全を引き起こすことを明らかにした。ヒトFAT1の遺伝子変異は、頭頸部扁平上皮癌のみならず、顔面の形態異常、目および手足の指に形態異常を示すことが知られている。 本研究成果は、頭頸部扁平上皮癌の診断・治療への応用や遺伝性疾患の理解に貢献できると考える。
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