研究課題/領域番号 |
22K19631
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森山 雅文 九州大学, 歯学研究院, 教授 (20452774)
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研究分担者 |
柴田 琢磨 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (30554505)
中村 誠司 九州大学, 歯学研究院, 特任教授 (60189040)
坪井 洋人 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80580505)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | シェーグレン症候群 / Toll様受容体8 / IgG4関連疾患 / モデルマウス / TLR8 |
研究開始時の研究の概要 |
非侵襲性で簡便に採取できる唾液・血液を用いてTLR8 やその関連分子がSS の診断に応用できるかを検証する。そのために厚生労働省研究班(森班)の患者レジストリを用いて、病態との関連を調べてその診断能について検討する。さらに、独自に作製したヒトTLR8 を遺伝子導入したマウスを用いてTLR8 によるSS 発症のメカニズムを解明し、TLR8 関連分子を標的とした新規治療法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
1)患者レジストリを利用したTLR8 とその関連分子の診断能の検証 東大医科研で作成した可溶性TLR8抗体を用いて血中のTLR8および昨年度の研究でシェーグレン症候群(SS)で発現亢進していたTNF-αについて各疾患群(SS、唾石症、口腔乾燥症、健常者)の血液中の濃度を計測したところ、SS は他の群と比べ、有意に高いことが明らかになった。さらに、同定された分子が診断に有用かを検証するため、申請者が研究協力者(SS分科会およびガイドライン策定委員)として参加している厚労省研究班(森班)の患者レジストリを利用して、多施設で採取したSS の臨床情報および血液サンプルを用いて、診断能(感度、特異度、重症度分類)に検討するため、倫理申請を進めている。
2)TLR8 による唾液腺炎発症のメカニズムの解明 -in vivo- 共同研究施設である東京大学医科学研究所では、ヌクレオシドトランスポーターであるSLC29A3に注目し、SLC29A3をノックアウトさせることで、リソソーム内のTLR7/TLR8のアゴニストであるヌクレオシドが外部に放出できずにリソソーム内に留まるようにさせる「SLC29A3ノックアウトマウス」を作成した。このマウスは、恒常的にTLR7/8が刺激をされ、脾腫やIgGの上昇を認めることが明らかになっている(Shibata T, et al. JEM 2023)。さらに、そのSLC29A3ノックアウトマウスはTLR7/8を発現している顎下腺に単球/マクロファージだけではなく、T菜病やT細胞などのリンパ球浸潤を認め、野生型マウスと比較して唾液分泌量の有意な低下も認め、シェーグレン症候群に類似した表現型を呈した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共同研究施設である東京医科学研究所とも密に連携を行っており、研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
東大医科研で作成したSLC29A3ノックアウトマウスがなぜ唾液腺に著明なリンパ球浸潤や唾液分泌量の低下をもたらすか、その機序を解明する。さらに、厚労省研究班(森班)の患者レジストリを利用して、可溶性TLR8が診断やモニタリングに有用かを検証する予定である。
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