研究課題/領域番号 |
22K19637
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
本田 一文 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (10260936)
|
研究分担者 |
吉本 世一 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (00462242)
本間 義崇 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (30719943)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 1細胞酵素活性 / 口腔がん / 末梢循環腫瘍細胞 / 一分子酵素活性 / 一細胞酵素活性 |
研究開始時の研究の概要 |
がんの治療標的として利用される分子標的の多くは、リン酸化酵素をはじめとした酵素である。末梢を循環する腫瘍細胞(CTCs)や微小な生検材料の1細胞から酵素活性が分析できれば、頻回の検査に耐えゲノム精密医療を補完する新しい精密医療の概念を実証することが可能になり、創薬や精密医療の分野に革命をもたらすと考えられる。今回、口腔がんの末梢循環腫瘍細胞や生検検体から採取された1細胞の酵素活性に対する分析法を確立し、原発部におけるがん個性や微小環境の状態を外挿する方法を確立する。
|
研究成果の概要 |
がん細胞を1細胞毎でマイクロウェル内に封入する技術論を確立した。1細胞毎に口腔がん細胞株を封入し、1細胞毎酵素活性を確認しMMP活性を確認したところ、①1細胞毎に培養液中にMMP活性が継時的に増強する性質を保持するもの、②時間が経過しても培養液中にMMP活性が確認することができない細胞が存在すること、を明らかにした。本結果は、①、②は分泌型のMMP2やMMP9などで代表されるがん細胞の浸潤をつかさどる分泌型MMPと解釈できる。今回MMPの酵素活性は1細胞毎にheterogeneityが存在することを世界で初めて観察した。1細胞酵素活性はがん微小環境を高分解能で説明する全く新しい概念である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MMP活性に関してはzymographyなどにより細胞全体が持つ活性を計測できる従来技術が存在した。しかしながら、1細胞毎でその活性を計測する方法は確立されていない。MMPの存在はがん手術材料の免疫染色などを利用すれば その発現状況は確認できるが、1細胞活性状態を評価する技術解析法は全くない。今回の研究結果から、がん細胞が持つMMPの酵素活性は1細胞毎にheterogeneityが存在することを世界で初めて観察した。1細胞毎の酵素活性heterogeneityはがん細胞巣の微小環境を高分解能で説明する全く新しい概念であり、がん細胞生物学を語るうえで大きなブレークスルーになると期待できる。
|