研究課題/領域番号 |
22K19639
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉田 美香子 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40382957)
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研究分担者 |
桑名 健太 東京電機大学, 工学部, 准教授 (00593055)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 経会陰超音波画像 / 骨盤底筋機能 / 尿失禁 / 前立腺全摘除後 / 画像処理 / 超音波画像 / 骨盤底筋 / 筋力 / 学習 |
研究開始時の研究の概要 |
約9割の患者が経験する前立腺全摘除術後尿失禁に対し、、近年、超音波画像を用いたバイオフィードバックを併用した骨盤底リハビリテーションが行われるようになってきた。そこで、骨盤底筋リハビリテーション外来等で蓄積されてきた多量の超音波画像データをもとに、機械学習を行うことで骨盤底筋の筋力を自動評価するソフトを開発する。そのうえで、同外来で蓄積された尿失禁量や尿禁制(失禁がない状態)獲得までの日数などの大量データも組み合わせ、尿禁制の回復の見込みを提示するシステムを作る。
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研究実績の概要 |
本研究では、多量の経会陰超音波画像データをもとに機械学習により骨盤底筋機能を自動評価するソフトを開発すること、骨盤底筋機能の結果をもとに尿禁制の回復の見込みを提示するシステムを作る。 骨盤底筋機能を自動評価するソフトの開発においては、女性において尿失禁の重症度と関連が指摘されている「恥骨-直腸肛門角距離」を計測できるように、恥骨と直腸肛門角を追跡するために7つのアルゴリズムについて、画像が鮮明・不鮮明、骨盤底筋の収縮が強い・弱いの組み合わせの4つの画像を用いて、追跡の可否と画像処理のリアルタイム性について検討した。追跡の難易度が最も高い画像が不鮮明で骨盤底筋の収縮が強い画像においても、Kernelized Correlation Filter(KCF)が骨盤底筋の安静時から収縮時までの恥骨と直腸肛門角を最も精度よく追跡することがでできた。また、画像処理時間は動画の長さとほぼ同じであり、そのほかの6つのアルゴリズムに比較しても、フィージビリティの観点で優位性が高い手法と考えられた。その後、この手法を用いて、経会陰超音波画像データ40枚について、「恥骨-直腸肛門角距離」を追跡、計測した。安静時から収縮時の「恥骨-直腸肛門角距離」の短縮率は、経会陰超音波画像を用いた骨盤底筋トレーニングの経験豊富な指導者が評価した主観的な骨盤底筋機能により異なることが明らかとなり、「恥骨-直腸肛門角距離」の短縮率が、指導者の主観的評価を反映する骨盤底筋機能の指標であることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既に取得していた大量の画像があること、女性の経腹超音波画像での骨盤底筋機能を開発する際に追跡するアルゴリズムの手法候補を絞ることができ、その手法が恥骨・直腸肛門角の追跡においても利用可能であったため、ここまでの研究は比較的順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、骨盤底筋機能の評価の指標として候補に挙げている3指標について、指標の特徴点を追跡し指標の自動計測ができるか、恥骨・直腸肛門角も含めて、そのほかの特徴点を画像上に自動で検出する手法を検討する。 その後、骨盤底筋リハビリテーション外来で蓄積された尿失禁量や尿禁制(失禁がない状態)獲得までの日数などの大量データも組み合わせ、尿禁制の回復の見込みを提示するシステムを作成する。
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