研究課題/領域番号 |
22K19640
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松原 宗明 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30743679)
|
研究分担者 |
村上 史明 筑波大学, 芸術系, 助教 (30512884)
涌水 理恵 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70510121)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | プリパレーション / 小児医療 / 小児看護 / インフォームド・アセント / メンタルヘルスリテラシー教育 / アフォーダンス効果 / モデル開発 / ハートチーム / メンタルヘルスリテラシー |
研究開始時の研究の概要 |
小児医療現場では認知発達段階に合わせ子ども達に心理的準備の説明(プリパレーション)を行う有効性が数多く報告されているが、子どもの理解を得るのに多くの時間と労力を要するプリパレーションの統一性はなく複数機関連携のコンソーシアムの構築も不十分である。そこで本研究では心理的混乱に陥りやすい重症少年期患児に対し汎用性が高い新たなプリパレーション支援体制を開発、提供しメンタルヘルスリテラシー教育の体系化とアフォーダンス効果の検証を目指す。またツール作成に当たり、味気ない元来の医学的内容に子どもの興味がつきないアートの要素を組み入れ次世代プリパレーション・プログラムの発展につながるロールモデルとしたい。
|
研究実績の概要 |
我が国の小児医療現場における医療行為に関する説明は、理解力や判断力の乏しい患児本人ではなく、法的代諾者である保護者に対して優先的に行われてきたが、昨今子ども達の認知発達段階に合わせ医療行為に対して 『心理的準備』の説明(≒プリパレーション)を行う事の有効性が数多く報告されている。 本研究では上記の観点に基づき、重症であるが故に長期間の過酷な治療や非日常的な入院生活の過程で心理的混乱に陥りやすい心臓手術をうける少年期患児に対し、メンタルヘルスリテラシー教育の体系化とアフォーダンス効果の検証、更に汎用性の高いプリパレーション・ツールの新たな開発を行い、次世代プリパレーション・プログラムの発展につながるロールモデルの基盤構築を目的としている。 2022年度は過去の患児と保護者へのプリパレーション支援導入効果の実態を質問紙調査でデータを収集し、自由記述の質的帰納的分析を行った。その結果、心臓手術を受ける患児に対する職種領域の枠を超えたプリパレーション・ツールの構築は、患児の心的成長患児の自己対処能力の好転や心的成長に好影響を及ぼす効能がみられた。特に支援効果として【手術や治療への理解、認識の重要性】【患児との強固な信頼関係の構築】【多様な家族看護への柔軟な対応】【周術期の目標共有と課題の顕在化】の計4つのカテゴリーを感知しえた。その結果を踏まえた上で、心臓手術をうける重症な少年期患児に対し、医療者の手腕に影響しない汎用性が高い新たなプリパレーション・ツールを作成中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
プリパレーション・プログラムの基盤となる過去のデータ解析は行えたが、その結果を踏まえたiPadなどのコミュニケーション器具を用いたプリパレーション・ツールの作成に時間を要しており、特にツール内にアートやアニメーション機能を付加し、子どもの感受認識をアートを通じて自らの病状探求へ誘導する作業に時間を要している。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は引き続きプリパレーション・ツールの作成を続行し、作成完成次第、新たなプリパレーション・ツールを利用した効能や効果の分析に移行する。ツールに関してはアートを介して手術をうける子ども達の心を豊潤にする情操教育が提供可能となる内容とする。また参加者の活動データの集積を標準化する方法として、LRS(Learning Record Store)対応の学習活動集積サーバのプロトタイプやeポートフォリオシステムを構築を目指す。その上で、プログラムを通じて患児のアクティブラーニングやインクルーシブ教育が提供できる基盤作成を行う。
|