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ピンク歯現象の発色および退色機序に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K19644
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

櫻田 宏一  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10334228)

研究分担者 峰岸 沙希  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (00882820)
上村 公一  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30244586)
鵜沼 香奈  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授(キャリアアップ) (30586425)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワードピンク歯
研究開始時の研究の概要

縊死や絞殺などの頸部圧迫による窒息死や溺死の際に見られるとされてきたピンク歯現象については、ご遺体が湿度の高い環境下や腹臥位に置かれていた際に生じやすいなど、首絞めによる窒息死に必ず見られるわけではなく、未だ死因とピンク歯との関連における十分な実験的検証がなされていない。本研究では、その基礎的検討として、ウシ切歯およびウシ血液を用いたピンク歯モデルの作製、発色部位および色の客観的数値化による評価法の確立、各種環境下での経時的変化、ヘモグロビン化合物の違いやフリーラジカルの関与について検討し、ピンク歯現象における発色および退色機序を明らかにしようとするものである。

研究実績の概要

本研究は、古くから縊死や絞死の際に見られるとされてきたピンク歯現象における発色及び退色機序を明かにし、ピンク歯と死因との関連に明確な結論を提示することを目的としている。昨年度は、頸部圧迫による窒息死での鬱血した歯髄腔内状況を再現するために、ヒト切歯に類似の構造を持ち、形態の個体差が少なく、大量に入手可能なウシ切歯及び血液を用いて各種実験が可能な実験系を確立した。また、従来の歯の色調評価には、淡ピンク色、ピンク色あるいは赤紫色などの表現で識別する主観的な肉眼観察が用いられてきたが、本研究では歯を歯根部、歯冠部はさらに3分割に区分けし、色を画像データとして取り組み、色相スケールを考慮した評価方法及びL*a*b*を考慮した評価方法の2種類による客観的な評価法の検討を行い、色相・彩度・明度などの数値化による有用な評価方法を確立した。本年度は、これらの実験系を用いて、光、酸素、温度、湿度あるいは軟組織の残存などの各種外部環境下による色調変化に関する詳細な検討を行った。その結果、好気的条件下での発色の抑制、非遮光条件下で早期退色、低温条件で鮮紅色を呈し、高湿度及び軟組織条件下では3日に赤味の強い傾向を示した。さらに、一酸化ヘモグロビンや好色色素産生菌の関与に関する予備的検討を行った。これらの成果を国際誌に掲載させることができた。さらに、頸部圧迫による窒息死の際の口腔内組織における影響についての関連論文を総説としてまとめ、国際誌に掲載させることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度確立したウシ歯及び血液を用いたピンク歯モデル及び色調評価法を用いて、予定した各種外部条件下での実験を行うことができ、有意なデータを得ることができた。また、それらの成果を論文として国際誌に掲載させることができた。

今後の研究の推進方策

確立した実験系を用いて、一酸化ヘモグロビン及びその分解物の変動と色調との関連、並びに紅色色素産生菌による腐敗の関与について、生化学的、細菌学的及び分子生物学的手法を用いたより詳細な検討を行う。これにより、ピンク歯現象と死因との関連を明かにする。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Study on the mechanism of the pink tooth phenomenon using bovine teeth:a pilot study2023

    • 著者名/発表者名
      Nozomi Sumi, Saki Minegishi, Jun Ohta, Hajime Utsuno, Koichi Sakurada
    • 雑誌名

      diagnostics

      巻: 13 号: 16 ページ: 2699-2699

    • DOI

      10.3390/diagnostics13162699

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Effects on oral tissues of asphyxiation caused by cervical compression: The pink teeth phenomenon in Kato's studies (1941)2023

    • 著者名/発表者名
      Koichi Sakurada
    • 雑誌名

      Legal Medicine

      巻: 64 ページ: 102284-102284

    • DOI

      10.1016/j.legalmed.2023.102284

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] ピンク歯現象における発色機序に関する研究‐ヘモグロビン及び分解物、並びに紅色色素産生菌との関与の検討‐2023

    • 著者名/発表者名
      壽美 望、峰岸沙希、宇都野 創、並木修司、戸谷麻衣子、大田 隼、斉藤久子、 櫻田宏一
    • 学会等名
      日本法歯科医学会第17回学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ウシの歯を用いたピンク歯現象のメカニズムに関する予備的検討2023

    • 著者名/発表者名
      壽美 望、峰岸沙希、宇都野 創、並木修司、戸谷麻衣子、大田 隼、斉藤久子、櫻田宏一
    • 学会等名
      第92回日本法医学会学術関東地方集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ピンク歯の発色程度および範囲と死体状況との関連2022

    • 著者名/発表者名
      峰岸 沙希、斉藤 久子、宇都野 創、大田 隼、並木 修司、 戸谷 麻衣子、壽美 望、櫻田 宏一
    • 学会等名
      第91回日本法医学会学術関東地方集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-07-05   更新日: 2024-12-25  

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