研究課題/領域番号 |
22K19651
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
|
研究機関 | 静岡社会健康医学大学院大学 |
研究代表者 |
佐藤 康仁 静岡社会健康医学大学院大学, 社会健康医学研究科, 准教授 (30349774)
|
研究分担者 |
小島原 典子 静岡社会健康医学大学院大学, 社会健康医学研究科, 教授 (50226867)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 電磁界 / 電波 / 健康 / 安全性 / 環境疫学 / 非電離放射線 |
研究開始時の研究の概要 |
科学技術の進歩により、電波を利用した利便性の高いシステムが次々と開発され、社会の中で活用されている。ICタグ(RFタグ、RFIDタグともいう)は、ICチップとアンテナを保護素材で加工したものであり、リーダライタとの間は電波を用いることで情報のやり取りを行っている。商品、図書館の本、モノを入れた箱、IDカード等にICタグを取り付けることで、ヒトやモノの管理を行うことに応用されている。ICタグシステムの利用により、どの程度の電波曝露があるのか、またどのような健康影響があるのかは不明である。本研究は、ICタグシステムの使用による労働者の電波曝露と健康について、その安全性を確認することを目的とする。
|
研究実績の概要 |
本研究は、商業施設におけるIntegrated Circuit(IC)タグシステムの使用による労働者の電波曝露量の推定および健康上の安全性を確認することを目的として実施するものである。商業施設におけるICタグシステムは、入出庫時の検品、商品のピッキング、レジ業務、盗難防止、商品の棚卸等に使用されている。業種や取り扱う商品により導入状況は異なることが想定されるため、2023年度は、商業施設で働いている者を対象にして、ICタグシステムの使用状況を明らかにする調査を実施した(n=1032)。調査では商業施設で働いている者で20歳以上の者に協力を依頼した。回答者は、男性37.4%、女性62.6%、未婚44.7%、既婚55.3%、常勤51.6%、パート・アルバイト48.4%であった。盗難防止ゲートの使用は、医薬品・化粧品小売業(50.5%)および機械器具小売業(40.5%)で高く、飲食料品小売業(12.6%)および自動車・自転車小売業(6.3%)では低くなっていた。ICタグ(電子タグ)の使用は、機械器具小売業(29.7%)および医薬品・化粧品小売業(27.6%)で高く、飲食料品小売業(9.4%)では低くなっていた。ICタグのハンドリーダの使用は、衣服・身の回り品小売業(18.0%)および百貨店・総合スーパー(14.5%)で高くなっていた。ICタグの使用に比べて盗難防止ゲートの使用割合が高いのは、盗難防止ゲートには磁気式タイプのものがあること、ダミーとして盗難防止ゲートを設置していることが考えられる。ICタグのハンドリーダの使用は、ICタグの使用よりも割合が低くなっていたが、ICタグシステムを導入している店舗の一部の労働者が使用しているものと考える。2回目以降の調査では、これらの使用状況を踏まえて曝露状況と健康状況の調査を進めていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は2022年度より開始したが、新型コロナウイルス感染症流行の影響もあり研究者間での打ち合わせが進まなかったこと、またこれにより共同研究契約書の締結が遅れたことにより開始が遅れることとなり、当初計画に対してやや遅れている状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は商業施設で働く労働者を対象とした最初の調査(予備調査)を実施した。この結果に基づいて、曝露情報を収集するため調査票および健康情報を収集するための調査票の開発が完了している。実査を担当する調査会社との打ち合わせも完了している状況である。現在、研究倫理審査委員会の審査を受けている。審査終了後、研究実施許可が出次第、調査を実施できる状況にある。本年度は、6月に調査を実施した後、再度12月に追跡調査を実施する予定である。予備調査で得たデータの分析は進んでおり、論文として今年度前半に投稿する予定である。12月の追跡調査実施後は、すぐにデータ解析に入り、今年度中に全体の結果をまとめる予定である。
|