研究課題/領域番号 |
22K19653
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
佐伯 幸郎 高知工科大学, データ&イノベーション学教室, 准教授 (40549408)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 描画検査 / 書字行動 / 認知症 / 機械学習 / 認知機能障害 / スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,医療従事者が感じる,認知機能障害の有症者が行う書字活動の違和感に着目した,認知機能障害のスクリーニングを実現する新しい技術開発に挑戦する研究である.提案手法では従来の専門的な神経心理学的手法に依らず,日常的な書字行動のみで実現する. 多くの認知症介護に関わる医療従事者らからは日常的な書字などの活動において健常者の書字と比較すると違和感があるとの声が上がっている.この違和感が,個人が特有でもつ書き方の癖を越えた認知症機能障害をもつ患者のみに表れる特性であると仮定するならば,その違和感を正確に補足することが出来れば認知機能の障害の早期発見につながるはずである.
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研究実績の概要 |
本年度は実際の書字行動の検査を行うためのソフトウェアの開発と、開発したソフトウェアを用いた実際のデータ収集に対する予備的実験を行った。具体的には、大量のデータ収集を効率よく行うための手段として集団検査への適応と、高齢者に対する利用性についての評価を行っている。 ソフトウェアの改良として、これまで管理者・医療従事者・検査が一つとなっていたソフトウェアをその目的や責務に応じ分離をし、管理者は管理に特化した機能を、医療従事者は描画データやユーザ情報の閲覧、取得を、検査は個人ごとの検査のみを行える機能を分離した。この結果として、極めて秘匿性が高いと言える書字行動に関するデータやユーザの個人情報を利用者のロールごとに完全にアクセスを分離することが可能となり、実際の利用において個人が家庭などの場で日常的な書字行動ツールとして利用する際のデータの安全性が高まることにつながる。また、集団検査などにおいてはQRコードをベースとした自動ログインなどの活用により、個人識別や過去の情報との紐づけなどを円滑に行えるように改善された。 被験者によるユーザビリティの実験的評価については、介護施設において高齢者10名程度を対象に実験を行ったが、書字行動の記録に関しては問題なく利用できることが明らかになっている。 これらのソフトウェア改善や予備実験に関する内容に関しては、国内研究会での発表および国際会議への投稿、採択が決まっている。そのため、本研究の現在までの成果に関しては既に多くの研究者に対し開示されており、医学系の分野での研究者ともその成果について共有を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ソフトウェアの開発や被験者実験などについてはおおむね想定通りに進んでいる。一方で日常的な書字行動の記録に向けた環境整備については現在関係者と実施方法の検討を進めている段階であり、早期の実施を行っていく必要がある。また具体的なデータに対する分析については現状では未着手であり、現状はデータを蓄積するための環境整備に終始している段階である。これまでの成果に関しては日本国内での研究会発表や、国際会議への投稿を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
データ取得のための環境はこれまでの研究において整っているため、今後は具体的なデータ収集と分析が主な研究内容となる。デ―タ取得に関しては、既に研究協力者と具体的な被験者実験に関する検討が進んでいるため、問題なく進む予定である。またデータ分析に関しては元々の「違和感」をデータとして可視化できることが最重要課題であるため、その方法について引き続き研究を進める予定である。
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