研究課題/領域番号 |
22K19667
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
竹中 彰治 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50313549)
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研究分担者 |
清水 詩子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10401762)
茂呂 寛 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (40509452)
野杁 由一郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50218286)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 誤嚥性肺炎 / リスクアセスメント / 訪問看護師 / 地域包括ケア / 口腔バイオフィルム / 科学的評価 / オーラルリテラシー |
研究開始時の研究の概要 |
政府が進める地域包括ケアシステムは、住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるように、地域内で助け合う体制である。在宅高齢者にとって、考慮すべき課題の1つは、病気の兆候をいかに早く察知するかである。70歳以上の高齢者の肺炎症例の7割以上が誤嚥性肺炎である。誤嚥性肺炎は、発熱や頻脈等の典型的な症状が出にくい。「何となく元気がない」、「食欲がない」、「体がだるい」などの非典型的な症状を示す。本研究は、在宅高齢者がいつもと違う様子のとき、「様子を見ていて良いか、病院に連れていくべきか」を判断する科学的ツールを開発することである。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、症状として現れにくい誤嚥性肺炎の発症リスクを、口腔細菌の血清抗体価を指標として感知する手法を開発することであった。 誤嚥性肺炎患者の口腔細菌の血清抗体価を健常高齢者、健常若年者と比較した。これまでに行った解析のうち、健常若年者のStreptococcus mitisの血清抗体価は、健常高齢者および誤嚥性肺炎患者群と比較して低い傾向を示した。S. mitisの血清抗体価の上昇が嚥下機能の低下と関連性があるなら「老化」の指標となる可能性がある。誤嚥性肺炎患者のC. albicansの血清抗体価は、健常若年者群や健常高齢者群と比較して有意に高かった。誤嚥性肺炎を特徴づける真菌であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
誤嚥性肺炎の発症とともに血中の抗体価が上昇する口腔細菌が存在した場合、指尖から採取した微量の血液から誤嚥性肺炎の兆候を感知できる可能性がある。地方で進む過疎化や医師偏在により、近くに病院がない高齢者が増加している。本システムが実用化されれば、高齢者の体調が普段と違う時に、「病院へ連れて行ったほうが良いか、自宅で薬を飲ませて様子を見て良いか」を判断するツールになりうる。検査は訪問看護師が実施することを想定している。本手法の確立は、在宅医療にとどまらず、遠隔医療、僻地医療、災害医療でも有効なツールとなるだろう。
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