研究課題/領域番号 |
22K19680
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
岩崎 基 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 部長 (60392338)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 大腸 / 腸内細菌叢 / 代謝物 / 食事因子 / 疫学研究 / 大腸腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、無症状の住民を対象に大腸内視鏡検診を実施した大島研究において、検診前に収集した食物摂取頻度調査票への回答結果、便および血漿検体を用いて、肉類・脂肪酸摂取、一次胆汁酸と腸内細菌の代謝による二次胆汁酸に着目した解析を行う。大島研究の対象者のうち、大腸腫瘍症例125人とランダムサンプリングした対照群194人の計319人に対し、ショットガンシークエンスによるメタゲノム解析および液体クロマトグラフ質量分析計による血漿中胆汁酸濃度の分析を行う。これらの情報を用いて大腸腫瘍リスクに対する肉類・脂肪酸摂取、腸内細菌、胆汁酸濃度の複合的作用を明らかにする。
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研究成果の概要 |
食事因子・腸内細菌・代謝物の複合的作用が想定される代表例として、肉類・脂肪酸摂取、一次胆汁酸と腸内細菌の代謝による二次胆汁酸に着目した解析を実施した。肉類および飽和脂肪酸の摂取量と大腸腫瘍リスクとの間に有意な関連は認めなかったが、腸内細菌の解析ではRomboutsiaの存在量が症例群で有意に高かった。また検診前に収集した血漿検体(303検体)を用いて網羅的なメタボローム解析を実施し、14種の胆汁酸代謝物濃度を取得した。大腸腫瘍リスクとの関連では、抱合型一次胆汁酸であるGlycocholic acidとの間に正の関連が示唆されたが、二次胆汁酸を含め他の胆汁酸代謝物の間には関連を認めなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本人を対象として食事因子・腸内細菌・代謝物の複合的作用が検討可能な疫学研究基盤は非常に限られている中で、既存のアンケート情報から食品・栄養素摂取量の評価、便検体由来DNAを用いた16S rRNA解析による腸内細菌叢データの整備、さらに一部の対象者の血漿検体を用いて新規に代謝物濃度の測定を実施し、大腸腫瘍リスクとの関連が検討できる研究基盤が構築された点は、当該分野の研究推進の面で貢献は大きい。さらに代謝物濃度の測定を行う対象者を増やし、食事因子・腸内細菌・代謝物の複合的作用の検討を進めて行くことが期待される。
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